日銀・黒田総裁会見1月21日(全文2)今年注視すべきはやはりコロナ
経済に対する悪影響がどう払拭されるか
そういう意味では、昨年の懸念材料の3つが、特に、コロナはまだ続いていますけども、2つはスムーズな滑り出しになっていると。で、コロナのほうもワクチンが本格的に、今年度の前半には、先進国は相当接種が進み、途上国も年内か来年前半までには進むということであれば、世界的に見てもコロナ感染症は収束に向かっていくということになると思いますが、いずれにせよ現時点で一番私どもが注目しているのはやはりこのコロナの感染症がどのようなペースで収束していき、経済に対する悪影響がどのように払拭されていくかということが一番注目するところかなと。 私、ここからは全然記事にしていただく必要ない話なんですが、昔からドイツには非常に関心がありましてですね。大昔にドイツの某大学でドイツ語の研修、講習にも参加したことがあるんですけども。ご承知のようにドイツのメルケル首相が、15年ですか、首相をされて、今年辞められるわけですよね。で、秋にドイツの総選挙があって新しい首相が誕生するわけですけども。ドイツは経済、単体でも日本の経済の次の大きさですし、EUの中で最大の経済規模であり、欧州の、ある意味で1つの中心ですので、その動向には、私は個人的には関心があるんですが、これは日銀総裁として何が一番注視すべきかっていったら、やはりコロナに尽きるのかなと思います。
点検結果を受けて政策変更はありうるのか
ブルームバーグ:ブルームバーグ、伊藤です。政策点検で2点お伺いします。1点目は、点検の結果を公表する3月の会合時点で経済・物価・金融情勢に変化がなければ、点検の結果を受けて追加緩和といった、そういった金融政策の変更が行われることはないと、そういうふうに考えていいのか、ここ確認になりますが、ご所見をお願いします。 もう1点なんですけど、点検の内容を先取りすることは避けたいとおっしゃられていたので、ちょっとあえて具体的に聞いて申し訳ないんですが、市場ではETFを株価水準が高いときに買い入れるのは避けるべきだとか、長期金利のコントロールにつきまして現在の変動許容幅をもっと広げるべきだと、そういったいろんな意見が聞かれるわけですが、こうした点も点検に当たっては排除しないということでよろしいのか、総裁のお考えをお願いします。 黒田:3月会合で点検結果を、スタッフのほうで点検したところを踏まえて、いろんな議論がなされると思いますので、その時点で、政策委員会でどういった決定がなされるかっていうことを今から先取りして申し上げるのは差し控えたいと思います。いずれにせよ、質問で意図されたようなことはよく分かるんですけども、次回の金融政策決定会合における議論と結論を私が先取りしてなんか申し上げるのは適切でないというふうに思います。 2番目のご質問も先ほど来、申し上げているとおりでありまして、イールドカーブ・コントロールの下での政策の運営というか、資産買い入れに関して、当然、点検の対象になりますので、今ご指摘の両点も含めて点検の対象になると思いますけども、どういうふうにやるのかとか、どういう結果になるのかとか、そういうことはまったく予断をもって申し上げるのは適切でないというふうに思います。 朝日新聞:すいません、幹事社なんですけども、ちょっともう45分になりましたので、今手上げられていた方で質問は終わりにしたいと思うんですけど、先ほど手上げられていた方、ロイターさんの前ですね。じゃあ4人ですかね。よろしいですか、総裁。 黒田:はい、どうぞ。 朝日新聞:じゃあそれでお願いします。