日銀・黒田総裁会見1月21日(全文3完)金融緩和の出口検討は時期尚早
日銀の黒田東彦総裁は金融政策決定会合後の21日午後、記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは、「日銀・黒田総裁が会見 金融政策決定会合後に(2021年1月21日)」に対応しております。 【動画】日銀・黒田総裁が会見 金融政策決定会合後に(2021年1月21日) ◇ ◇
効果と副作用をどう見ているのか
共同通信:すいません、共同通信の【イノウエ 00:49:44】といいます。マイナス金利政策についてお伺いします。2016年1月の決定から今年で5年になるわけですけども、総裁、この会見でも副作用という言葉を使われていますけども、マイナス金利政策というのは利ざやが低下している銀行の経営者には非常に不人気な政策だと思うんですけども、総裁はかねがねこの政策は効果が副作用を上回っているとおっしゃっていますけども、この5年間を振り返って、あらためてこの効果と副作用をどのように見られているのか、あらためて教えてください。 黒田:この点も当然、点検の対象ではあるんですけども、先ほど申し上げたように、あるいは従来から申し上げているように、私は効果が副作用を上回ってきた、従って続けてきたということだと思います。いずれにいたしましても、マイナス金利の問題につきましては、欧州などでもいろんな議論がなされていますけれども、わが国の場合はご承知のような、かなりきめ細かいシステムにして、直接的に今、金融機関の収益に大きなダメージを与えるようなことのないようにしつつ、金融緩和を進めているということであります。
一律給付金の必要性や効果をどう考える?
TBSテレビ:すいません、TBSテレビの【ゴトウ 00:51:08】といいます。財政政策の話で恐縮なんですが、感染拡大に伴う経済対策として、あらためて国民一律に現金を支給するとか、そういった政策について、麻生財務大臣は否定的な考えを示しておりますけれども、この現下の苦しい日本経済の現状を踏まえて、黒田総裁、この一律給付金の必要性とか効果についてどうお考えでしょうか。 黒田:財政政策、特に個別の政策について、私が何かコメントを申し上げるのは適切でないと思います。ただ、他方でご承知のように、貯蓄率がかなり上がったわけですね。ですから、給付金を支給したのは全部消費に回るんじゃなくて、むしろ貯蓄に回っているのではないかという議論もあって、効果について、いろんな疑問も出ているわけです。他方で、しかし貯蓄にそのとき回ったかもしれないけども、そういうものが一定の安心感を与えて、消費者の行動を、もっと消費を絞るということにならなかった可能性もあるんですね。ですからそこら辺はよく政府において、研究していただきたいというふうに思います。