菅首相が施政方針演説「コロナを一日も早く収束させる」
菅義偉(よしひで)首相は18日、施政方針演説を行い、政権発足からの4か月間、「一貫して追い求めてきたのは国民の皆さんの安心、希望だ」と述べた上で、「世界で猛威を振るい、我が国でも深刻な状況にある新型コロナウイルス感染症を一日も早く収束させる」とコロナ対策に最優先で取り組む決意を示した。 【動画】菅首相が施政方針演説「コロナを一日も早く収束させる」衆院本会議
最前線に立ち「『ステージ4』を早急に脱却する」
まずコロナ対応の最前線で日々活動する医療従事者や保健所の職員、介護関係者らに「厚く御礼申し上げる」と述べた。 現在、11都府県に発出している「緊急事態宣言」を踏まえ、国民に対しては「今回再び制約のある生活をお願いせざるを得ず、大変申しわけなく思う。今一度、国民の皆さまのご協力をいただきながら、私自身もこの戦いの最前線に立ち、難局を乗り越えていく決意だ」と語った。 1月7日から発出している緊急事態宣言では、これまでの1年間のコロナ対策に基づいて、「効果的な対象に徹底的な対策を行っている」とあらためて強調した。 特に「飲食での感染を抑え込むことが極めて重要」と述べ、飲食店向けの協力金を180万円まで引き上げ、午後8時までの営業時間短縮要請を徹底するとした。ほかにも▽テレワーク7割実施▽不要不急の外出・移動の自粛(特に20時以降は徹底)▽イベントの人数制限――など4つの対策を挙げ、「こうした対策により感染を抑え込み減少傾向に転じさせる。(4段階で最も深刻な)『ステージ4』を早急に脱却する」と語った。 緊急事態宣言を規定する特別措置法の改正については、「罰則や支援を規定し、飲食店の時短の実効性を高める。議論を急ぎ、早期に国会に提出する」とした。 ワクチンについては、安全性や有効性の審査を行った上で「万全な接種体制を確保し、できる限り2月下旬までには接種を開始できるよう準備する。私も率先して接種する」との方針をあらためて示した。
東京五輪「コロナに打ち勝った証として」準備進める
コロナ禍で今夏に延期された東京五輪・パラリンピックについては「人類がコロナに打ち勝った証として、東日本大震災からの復興を世界に発信する機会としたい。感染対策を万全なものとし、世界中に希望と勇気をお届けできる大会を実現するとの決意のもと準備を進める」との意向を引き続き示した。 その上で「まずは一日も早く感染を収束させ、皆さんが安心して暮らせる日常、にぎわいのある街角を取り戻すために全力を尽くす」と述べた。