夜更かしが痩せ体質を遠ざける。ホルモン的に痩せる生活(専門家が監修)
ヒトのほとんどの生理機能はホルモンによって調節されている。食欲や血糖値のコントロールも各種ホルモンが関わっており、食べ方によってホルモン分泌が変化し、それが痩せ体質か、肥満につながるかの分かれ道。今回は、ホルモンを味方につけ、痩せやすい体質へシフトする「早寝早起きの重要性」を伝授![取材協力/柴田重信(早稲田大学教授)]
夜更かしと夜食はセット。負の連鎖を断ち切る
単純に起きている時間が長い人ほど、一日に口にする食事の量が多い。深夜の動画鑑賞の際、つい余計なものを口にしてしまった経験は誰しもにあるだろう。それは早寝していれば食べるはずのなかった余計なカロリーだ。 しかもこのとき、スナック菓子など高カロリーのものを食べてしまうと、脳からドーパミンという快感をもたらす神経伝達物質が分泌される。その快感を再び得るために、翌日もまたスナック菓子に手が伸びるという負の連鎖に。断ち切るには早めに就寝し、必要十分な睡眠時間を確保するしか道はない。
短時間睡眠が食欲の暴走を招く
食欲に関係するホルモンとして最も有名なのは、脂肪細胞から分泌されるレプチン、そして胃から分泌されるグレリンだ。レプチンは食事の際に分泌され、脳の満腹中枢に働きかけて「これくらいでやめておこう」と食欲を抑制する。グレリンは空腹時に胃から分泌され、脳の摂食中枢に働きかけて「ハラ減った」という感覚をもたらす。 で、平均睡眠時間が短い人ほど血液中のレプチンの濃度は低く、同時にグレリンの濃度は高い傾向があることが分かっている。夜型生活かつ睡眠不足という人、痩せたいなら朝型生活へのシフトを。
睡眠時間とホルモンの関係
レプチンは睡眠時間が長いほど血中濃度が高く、グレリンもバラつきはあるものの5時間以下の睡眠と8時間睡眠では明らかに後者の方が少ない。
取材・文/石飛カノ(初出『Tarzan』No.841・2022年9月8日発売)