猛威振るう「インフルエンザ」ピークこれから“かかりやすい人”は特に注意 隠れた脅威「肺NTM症」にも警戒を【専門家解説】
■ワクチンの役割と有効なインフルエンザ対策
1つの予防接種で防げるのは、3タイプのうちの1つなのでしょうか? 関西医科大学附属病院 宮下修行医師:いまは3種類全て入っているワクチンを打っています。ただ重要なポイントは、ワクチンというのは重症化を防ぐためのものという意味合いが高いんですね。感染を防ぐわけではありませんので、感染をした時に軽く済むというふうに思っていただくと結構です。 また宮下医師は「薬で免疫がつかない」と指摘する。 関西医科大学附属病院 宮下修行医師:重要なのは、我々の免疫というのは微生物が入ってきて、これと戦うことによって免疫が獲得されるわけです。かかった時に、お薬を飲んでしまい、戦わないままでいると、免疫ができないわけなんです。 関西医科大学附属病院 宮下修行医師:ただ医療従事者としては早期発見・早期治療が原則です。なぜならば周りに移さないということがある。かかった方はやはり“かかりやすい”ということを知っておいて、防ぐことができる。コロナの時に頑張ってやってきたマスクやソーシャルディスタンスを実践していただくことが重要になってくると思います。
■インフルエンザ予防策をまとめると
関西医科大学附属病院 宮下修行医師:やはり一番大切なのは『せきエチケット』。すなわち、症状が出ている方、せきをしてる人はきちんとマスクをしていただきたいと思います。それから手洗い。それからできれば少し距離を開けるというソーシャルディスタンスです。やっぱりこれが最も飛沫感染にとっては有効であるということが分かっています。 感染の恐れがある人の近くにいるときに、“息を止める”のは意味がありますか? 関西医科大学附属病院 宮下修行医師:意味があります。例えば結核というのは空気感染といって、空気を漂ったものが感染しますけども、インフルエンザは飛沫感染(せきやくしゃみなどで飛散する唾液などによって感染すること)ですので、息を止めるというのは正しいです。
■インフルエンザのかげで「肺 NTM症」に注意
もう一つ気になるのが「肺NTM症」だ。せきが長引くことによって発覚しやすいということだが、肺NTM症とはどういったものなのだろうか。 関西医科大学附属病院 宮下修行医師:まず結核というのは『抗酸菌』となります。この抗酸菌の中に結核と『非結核性抗酸菌=NTM』というものがあります。結核は人に移りますが、NTMは人に移らないというのが重要なポイントです。 放っておくと深刻な症状になることがある。ゆっくりと進行するので慢性的な肺炎になる場合があるということだ。 そして進行すると長引くせき、そして体重減少、たんに血が混じるなどの症状が出てくるということだ。 関西医科大学附属病院 宮下修行医師:初期症状は無症状の人が多いです。午前中に外来で2人新規の患者さんが紹介で来ましたが、どちらの方も無症状だったんです。発見が遅いと、せきが長引くようになります。
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