“WECでもっとも悲運だった男”が振り返る2024シーズン「問題がなければ、選手権の首位にいただろう」
フェラーリ499Pのドライバー、ジェームス・カラドは、結果の面では「ひどい」シーズンを51号車のクルーが過ごした後、WEC世界耐久選手権の2025シーズンはより強力なものになると、楽観的に語った。 【写真】WECルーキーテストでフェラーリ499Pをドライブしたアーサー・ルクレール 過度な減量のために入院していた過去を明かしたカラドと、彼のコ・ドライバーであるアレッサンドロ・ピエール・グイディ、アントニオ・ジョビナッツィは、ル・マン24時間レースでの3位という、たった1回の表彰台しか獲得できず、ランキング8位に留まるという困難な2024年シーズンを耐え抜いた。 フェラーリAFコルセが走らせる51号車はサーキット・オブ・ジ・アメリカズと富士スピードウェイでは完走できず、シーズン開幕のカタール1812kmではポイント圏外でフィニッシュ、さらにシーズン最終戦のバーレーンではタイヤの割り当て違反により失格となっていた。 また、イモラでは天候の変化により大きなポイントを獲得するさらなるチャンスを失い、スパでは赤旗後にスチュワードがレースを当初の期間より延長するという決定により、イタリアのメーカーは不利な立場に置かれていた。 2024年を振り返って、カラドは個人的には最悪のシーズンのひとつだったが、51号車のクルーは、それほどの不運に見舞われなかった姉妹車の50号車とともに、チャンピオンシップ争いでより重要な役割を果たすことができたはずだと考えている。 「パフォーマンスに関しては、すべてのレースでかなりまともだった」とバーレーンの最終戦を前にカラドは語った。 「だが、結果に関してはかなりひどいものだった。2回のDNFがあった。8レースのチャンピオンシップでそれが起こると、ゲームオーバーだ。スパの件、イモラの件も……常にトップにいながらポイントを獲得できなかった。これらの問題がなければ、チャンピオンシップのトップにいただろう」 「これまでで最悪のシーズンのひとつだった。しかし、ときには自分のコントロールが及ばず、何もできないこともあるというものだ。COTAと富士では、僕はドライブすることすらできなかった」 「一貫性が鍵だ。過去10年間でそれを思い知らされた。すべてのレースを完走し、ル・マンで良い結果を出さなければいけない。それが自らを有利にする方法だ」 「レース数が限られているため、すごい速さを持っていても、チャンピオンシップに勝てない場合がある。それが現実だ。正直に言うと、来年がもう楽しみになっているよ」 結果が出なかったにもかかわらず、カラドはル・マンで優勝した2023年よりも、2024年の方が「はるかに強くなった」と感じていると語った。 「昨年と比べて、パフォーマンスの面で我々ははるかに速くなっており、その理由はよく分かっている」と彼は語った。 「それを結果に残せなかったのは、残念だ」 この英国人ドライバーは、自分とチームメイトがこのパフォーマンスを2025年シーズンまで維持できることを期待していると付け加えた。2025年シーズンには、彼とピエール・グイディ、ジョビナッツィがトリオを結成して3年目を迎える。 「来年は、もっと自信を持って臨むよ」とカラド。 「同じエンジニア(バティスト・アラン)を維持できればいいなと思っている。アレ(ピエール・グイディ)と組んできた間、ほぼ毎年エンジニアが交代し、関係を築いてお互いを理解するのに数レースかかったからだ」 「昨年と比べて、ペースとパフォーマンスの面で僕らは本当に強い立場にある。そして来年の初めから、僕らはすでにより良い状況に置かれているだろう」 [オートスポーツweb 2024年12月30日]