15日にかけて出現ピーク 今年の「ふたご座流星群」がイチオシな理由
ここ数年で、一番たくさんの流れ星が見やすい数日間になるかもしれません。 12月15日の未明、「三大流星群」のひとつである「ふたご座流星群」が出現のピークを迎えます。今年は、月明かりの影響が少ない好条件で、14日から15日にかけての観測が一番のおすすめ。また、数日前から流星の出現数は徐々に増えていくので、12日(土)の週末あたりから観測する価値はあるでしょう。 【動画で解説】毎年現れる「流星群」の正体は? ふたご座流星群は、数あるなかでも筆者のイチオシ流星群です。 それは、(1)数が多いだけでなく、(2)観測適期が数日間続き、(3)時間帯を選ばず(夜半前も深夜も明け方も)観測でき、(4)毎年コンスタントに出現し、(5)流星が速すぎず、(6)そこそこ明るい流星がある──ため観測しやすいのです。 6つも理由が出てきてしまいました。いずれも流星群そのものの“性格”によるもの。そして、マイナス要素はと言えば、やや地味で、12月がとても寒い──ことくらい。マイナーなものも含めると60以上もある流星群で、どうしてこんな違いがあるのでしょうか?
流星群の正体は“大量のチリ”
流星がまとまって出現する流星群。その個々の“性格”を知るために、まずは流星群が発生する仕組みからです。 流星の正体は、彗星などが撒き散らした小さなチリが、地球の大気に突入する際に起こる発光現象です。 流星群が出現するのは、チリがまとまって漂っているところを地球が通過するから。ではなぜチリがまとまっているかというと、同じひとつの天体(流星群の「母天体」と呼びます)から噴き出したチリが、母天体の軌道周辺をそのまま漂っているからです。
流星群の母天体は、おもに彗星です。正体は、チリや岩石を大量に含んだ氷の塊と考えられていて、“汚れた雪だるま”ともたとえられます。数年以上の周期で太陽の周りを回る彗星のうち、地球軌道に近づく彗星が、流星群の母天体になり得ます。
彗星が軌道を進み、太陽に近づくと熱くなって氷が融けます。その中に含まれていたチリが、宇宙空間に放出されます。そして、母天体である彗星の軌道上を少しずつ帯状に広がりながら回り続けます。その“チリの帯”を、太陽の周りを回る地球が通過するときに、流星群が見られるのです。 ふたご座流星群の母天体は、「ファエトン」という名の小天体だと考えられています。1980年代の発見当時はチリやガスを放出する彗星としての活動が確認されなかったため、小惑星に分類されました。その後に軌道から流星群の母天体であることが分かり、かつては彗星だった“成れの果て”の小惑星と考えられるようになりました。そして近年、すでに終えたと思われていた彗星としての活動が観測され、まだ“現役”らしいことが分かってきています。