いつも不安ですよ、いつ首切られるんだろうなって――芸人からMCへ「化けた」恵俊彰の考えるキャリア、そして相方への思い
ホンジャマカを解散する意味がない
「ホンジャマカ」は、結成当初11人体制のコントユニットだった。 翌年には石塚英彦と2人になって、以来33年、コンビは現在も維持されている。 「解散……してないですよね」と聞くと、恵は吹き出した。 「してないです、解散してないです(笑)。でも、今年はまだ一回も会ってない」 恵にとって、ホンジャマカで居続ける意味とは、何なのか。 「逆に言うと、解散する意味がない。ホンジャマカをやって、そこから、それぞれで好きなことをやっていきたいね、みたいな話をした。石塚さんは『おいしいご飯が食べたい』、僕は『情報を伝えたい』。今はお互いに、それぞれ頑張ってるな、って思っている間柄なんじゃないでしょうか。何か2人でやりたいなと思ったらやるんでしょうけど、まあ今は思わないから、というくらい。だけど、なぜか、消せないものというか、終わらないもの?そっちに近いんですよね。死んだ時に終わるんだろうな、という」 2人でコントをしてほしいと言われたら、どうする? 「あ、それはやれますね。10年以上やっていなくても、何回か稽古したら、たぶんすぐできちゃう。何ていうか、自転車に近いんですよ。一回乗れたら、もう乗れなくなるってないじゃないですか。パッと自転車を漕ごうと思ったら、すぐにできると思う。でも、今は自転車には乗ってなくて、電車にも乗れるし、車もあるしって、そんな感じじゃないかな。でもね、捨ててないんですよ。自転車はとってある。またいつか乗るんだろうなって」 コンビは、とかくその仲が憶測で語られるものだ。でも、と恵は続ける。 「夫婦もそうだと思うんですけど、一緒にいない時間も必要というか。いろんな推測や憶測があると思いますけど、僕はものすごく厚い信頼関係で結ばれて、成立している関係だと思っています」 3男1女の子宝に恵まれ、子育てにも奮闘。 小学生の3男のサッカーには、週末必ず付き添うと決めている。今後の目標は、「サッカーの4級審判の資格を取る」こと。 「今年は、とにかくW杯が楽しかった。スポーツ科学研究科でも勉強ができて、そこで知り合った人たちにサッカーの魅力をたくさん教えてもらいました。だからもっと詳しくなりたいなと思うようになったんです。うちのチビが所属しているサッカーチームにも、ラインズマンなどで貢献できたらと思って。子どもたちのサッカーは、やっぱりいいですね。この時間がないと、今の自分はダメだなと思うくらい、楽しい時間です」 --- 恵俊彰(めぐみ・としあき) 1964年、鹿児島市出身。司会者、ニュースキャスター、俳優。お笑いコンビ「ホンジャマカ」のツッコミ担当。大学入試3浪後、東放学園専門学校に就職。1988年、11人体制のホンジャマカで初ライブ。1989年、石塚英彦とコンビとして再デビューする。90年代後半からMC業が増え、情報番組、歌番組などで総合MCとして活躍。2009年からTBS系『ひるおび』の総合MCを続けている。俳優としての評価も高く、ドラマや映画でも活躍。故郷鹿児島の薩摩大使、鹿児島市ふるさと大使を務める。