立憲・泉健太代表「今の時代、基礎票なんてないんです」 苦悩の野党第1党、転落から「上っている段階」
──ただ、離党者や小沢氏の動向からは党内がグラついている印象が否めません。 「マスコミの伝え方でしょう。今春の統一地方選挙だって立憲民主党は議席が伸びたんです。なのに、報道は『伸び悩み』と出る。道府県議選で10人(204人から214人に)増えて、政令市議選と市区町村議選で5人減った(564人から559人に)ので、プラス5人と確かに微増ではあります。でも、少なくとも負けてはない。若手も女性も増えた。対して、日本維新の会は大躍進と報じられる。実際には自民党と共産党が議席を減らしていた。その中身がちゃんと伝えられていないと思いますね」
旧立憲民主党のイメージからアップデートされていない?
有権者にとって立憲民主党の立ち位置が見えにくいのは、野党間の選挙協力だけの話ではない。そもそも現在の立憲民主党が、結党当初の党と異なることをあまり知られていない可能性もある。2017年の結党は、当時の民進党が希望の党へ合流する流れに反発して離脱したリベラル色の強いメンバーがつくった政党だった(旧立憲民主党)。だが、2020年9月、国民民主党とともに一度解党。メンバーが離合集散し、同じ名前で再度結党したのが現在の立憲民主党(新立憲民主党)だ。泉氏はそのタイミングで国民民主党から立憲民主党に移ってきたメンバーだ。だが、この再結党の翌日に、安倍晋三首相が内閣総辞職、菅義偉氏が総理大臣に選出された。このニュースで立憲民主党の再結党は相対的に小さく報じられることになった。結果、新しい立憲民主党が以前とどう違うのか、あるいは、そもそも再結党された事実すら有権者に十分伝わっていない可能性もある。
──有権者の間では、枝野氏がつくったときのリベラル色の強い旧立憲民主党のイメージからアップデートされていない印象があります。 「新立憲民主党では、理想は持ちながらも現実路線に転換していくことになりました。エネルギー政策では原子力は(即時廃止ではなく)減らしていこうというものですし、安全保障では日米同盟が基軸で、防衛費増額も反対ではない。非常に現実路線なんです。そういう考えが有権者の中でアップデートされていないと言われれば、そういう可能性はあると思います」