立憲・泉健太代表「今の時代、基礎票なんてないんです」 苦悩の野党第1党、転落から「上っている段階」
──しかし、参院選では改選23議席から17議席へと減らしました。 「それでも議席として野党第1党です。皆さんは民主党のときのイメージがあるから『200議席くらい取って当然』『この状況じゃだめだ』と言う。でも、いまの立憲民主党はそうじゃないんです。民主党から民進党になり、いったんゼロまで壊れたあと、旧立憲民主党、旧国民民主党が生まれてという過程を経て、いまに至っている。そこまで下がったところから上っている段階なんです」 ──実際には多くの人にとって、民主党政権のときの印象が残っていると思われます。 「民主党政権の反省はあります。まず国民の皆様に約束した政策は、もっと時間をかけないとできないことが多かった。でも、それを一気に4年でやろうとしすぎた。そのせいで政治的体力を使い切ってしまい、改革し切れなかった。だから、転落の仕方も大きかった」
次期衆院選には「200人以上、過半数は出したい」
5月12日、泉代表は次期衆院選で150議席を獲得できなければ代表を辞任すると明言した。前回の獲得議席は96議席であり、そこから約1.5倍という数字はハードルが高い。だが、その頃から党内では不協和音が目立ちはじめた。党重鎮である小沢一郎氏は6月、野党候補の一本化を掲げた政策グループをつくるとともに、7月には政権交代を視野に「候補者は過半数を立てなくてはいけない」と講演で泉体制を批判した(衆議院議員の定数は465人)。6月には2人の衆院議員が離党した。
──小沢氏の発言をどう受け止めましたか。 「小沢さん、ぜひ候補者を紹介してくださいという話です。同じ政党なんですから。誰かいるのであれば、党執行部に紹介して一人でも多く立てるために力を尽くしてもらいたい。そもそも150議席という数字は最低でも150という意味です。それは最終目標でもなんでもない」 ──では、候補者は何人くらい見込んでいますか。 「候補者は200人以上、過半数は出したいですよ。党内には『政権交代をもっと言え』という意見もあれば、『それは難しいだろう』という意見もある。でも、そんな(消極的な)ことを言っていたら議席はもっと少なくなる。だから、野党で候補者を一本化するという話を問われているのだと思いますが、他の野党と自分の党の候補者数の調整で正しい答えなんてないんじゃないですか」 ──一方で、選挙を前に離党者が2人出ました。 「松原仁さんは立憲民主党が好きで党にいたいと思っていたけれど、選挙区の区割り変更があって、離党を選んだ。徳永久志さんも除籍となりましたが、彼にも選挙区の区割りという事情があった。いずれにしても、去る人もいれば、来る人もいるということです」