立憲・泉健太代表「今の時代、基礎票なんてないんです」 苦悩の野党第1党、転落から「上っている段階」
──憲法についてはどうでしょうか。 「いわゆる改憲派でもないですが、護憲派ではない。変える必要があれば変えます。でも、中身を聞いてもいないのに憲法改正と言うつもりもない。改憲そのものが目的ではないということです」 ──いまの立憲民主党の姿勢と自民党との違いはどこにありますか。 「中道保守と言われることもありますが、私自身は『中道リベラル』と言っていますし、立憲民主党そのものが中道リベラルだよと言っています。それが自民党や維新と対抗する考え方でもある」 ──具体的には。 「たとえば経済。アベノミクスはトリクルダウンで上から下も潤うことを謳っていましたが、それはこの10年間、実現しなかった。大企業は株価がバブル以降最高値、あるいは収益も最高となっていますが、国民の生活はずっと疲弊して弱くなっている。これでいいんでしょうか? 中道リベラルの立場としては、国民の消費を喚起して経済を上げていく考え方をとる。それには所得を増やさなければいけない。児童手当でも所得制限を撤廃することは我々がずっと言い続けてきたことで、それが今度ようやく我々の言う政策に転換されることになった」
──経済以外ではどうですか。 「最近で言えば、LGBT理解増進法、昨秋の旧統一教会(世界平和統一家庭連合)被害者の救済法(不当寄付勧誘等防止法)も、立憲民主党が言わなければ動かなかった。もちろん合意できなかったものもあります。例えば入管法改正案での入管や難民制度の抜本的な改革は修正協議までは行きましたが、自民党側が基本的な枠組みを変えないというので決裂した。結局、我が党は自由主義経済のなかで働き方や人権、生活を大事にするのが基本的な考え方なので、そこを伝えるしかないんですよ」 ──もっとイメージしやすい言い方はないでしょうか。 「安倍さんは第二次政権をつくるときは『日本を、取り戻す。』、第一次政権のときは『美しい国』を掲げました。でも、そこで描いた日本というのは、従来の家族観、従来の価値観ではなかったでしょうか。それより私たちが大事にしたいのは、多様性であり新しい価値観。それを実現することで日本の活力が高まると思うし、国が元気になるんじゃないかと思うんです。さらに言えば、要職を担ってきた先輩方ではなく、49歳である私を代表に選んでいただいた意味は、そうした次の世代をつくっていくために託されたという気がします」