不倫夫役だった岡田将生は「聞き上手なタイプ」、結婚観に変化も…33歳になった高畑充希の“転機”「良くも悪くも現実的に…」
「体力的にはムリですが、できることなら…」
『とと姉ちゃん』のほうは現場のチームの仲は最高だったが、芝居については悩むことが多かったようだ。どう演じるか考える間もなく撮影が進んでいき、自分がベストな状態でのぞめていない感じもすごくつらかったという。のちに《今は『ああいうものだった』と思えるけれど、最後まで本当に自分との戦いでしたね。体力的にはムリですが、できることならもう一度同じ台本で演じたいくらいです》とまで語っている(高畑充希写真集『ユメクイサバク』宝島社、2017年)。 『とと姉ちゃん』放送中には初の主演映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』も公開され、そのプロモーションのため、撮影の合間を縫って取材を受けたり、バラエティ番組にも出演した。朝ドラのヒロインを務めあげたあとも、出演映画の公開があいつぎ、さらにこの年の暮れから翌年にかけて、楳図かずおのマンガを原作に、フランス人演出家フィリップ・ドゥクフレが手がけた舞台『わたしは真悟』に門脇麦とともに主演している。
「激流に放り込まれたような」20代前半を過ごした
20代前半の高畑は万事この調子であった。《全部そのタイミングでやりたかった役だったし、取られたくなかったんです》というのがその理由である(『ユメクイサバク』)。他方で、のちに当時を振り返って《20代前半にとっても忙しい時代を迎えて。それまで平和に暮らしていた日々からポーンと急に激流に放り込まれたような感覚もあって、戸惑った時期もありました。いろんなお仕事をいただいて、とにかく消化して、なんとか期待に応えようとがむしゃらで》とも顧みている(『with』2021年4月号)。 そんなふうにひたすら走り続けてきたのも、20代の終わりがけにはひと段落したと思えるようになってきたという。高畑がのちに運命を感じたという、ある大役を演じるチャンスを得たのは、そんな時期だった。(#2に続く) 「子どもが生まれたら休むかもしれないし…」高畑充希(33)が「仕事よりもプライベートが断然大事」な“深いワケ” へ続く
近藤 正高