能登のシェフの今をインタビュー 平田明珠さん(ヴィラ・デラ・パーチェ)
2024年1月1日、正月ムードの日本列島にまさかの能登半島地震が起こりました。半島というアクセス難な立地も影響し、全体の被害の把握や復興もなかなか進まないと聞きます。そんな中、被災後間もなくしてシェフたちが自発的に炊き出し活動を行い、厳しい冬の能登の地で温かい料理が被災者の方の心を励ましているようです。実際に活動しているシェフにお話を聞きました。
平田明珠さん(ヴィラ・デラ・パーチェ)
石川県七尾市、中島町にあるイタリアンオーべルジュ「ヴィラ・デラ・パーチェ」は全国のFoodieたちがこのお店を目指してやってくる人気のお店です。「食べログ イタリアン WEST 百名店 2023」の選出店でもあります。
一軒家のお店の前には海が広がり、大きな窓から海を眺めながらの食事は非日常感たっぷり。能登産の海の幸や山の幸を美しいイタリアンに仕上げ提供しています。
店主の平田明珠さんは中島小学校で炊事を担当、被災直後から精力的に活動をされていらっしゃいます。平田さんに現状を伺いました。
※七尾市周辺の状況となります。エリアによってインフラ・流通事情などの状況は異なります。(取材時:2024年1月22日)
1月1日からはどのように過ごされましたか?
地震のあった1月1日は家族で東京にいました。お店のスタッフから状況を聞き、翌日に車でお店のある石川県七尾市中島町に向かいました。なるべく交通状況の良い道を事前に調べておいたのでそこまでの混乱はなく到着することができました。
幸い、ガスや電気は使えたので、店にあった食材でカレーを作り、周辺の集落に配りました。中島小学校が避難所になっており、400人くらいの避難者の方がいらっしゃいました。七尾市の職員の方から炊事担当を引き継ぐ形で、私が中島小学校の炊事を担当させていただくことになりました。
なるべく私自身が調理に回らずに現場が回るよう意識して役割分担をしています。私は地域の人と炊き出しに来ていただいたボランティアの方や企業をつなぐような役割を担っています。