井上尚弥が米メディアに語った「スーパースターに近づくための試合」の決意とパッキャオ再来への期待
WBA世界バンタム級スーパー、IBF同級王者、井上尚弥(27、大橋)が米ラスベガスで31日(日本時間11月1日)に行われるWBA同級2位のジェイソン・マロニー(29、オーストラリア)との初防衛戦を前に米メディアの「ヤフースポーツ」のリモートインタビューに答えて、直前の心境を語った。米メディアの間では、アジアが生んだ6階級制覇のスーパースターで現WBA世界ウエルター級スーパー王者のマニー・パッキャオ(フィリピン)の再来との期待が高まっている。
「ボディは自分がやられて嫌なことをする意識で打っている」
井上がラスベガスに上陸して以来、現地メディアの取材が続いている。 井上にとって米国での試合は2試合目だがラスベガスでの試合は初。無観客でのテレビマッチだが、モンスターを世界へ売り出すには絶好の機会である。 現地時間の27日には、放映局のESPNの取材、撮影が1時間半も続いた。日本では考えられない試合直前の取材ラッシュだが、「試合を控えた計量前の選手が長時間、毎日取材をするのは日本では考えられないですけど、海外では当たり前のことだと聞いているのでこれは仕方ないのかなと。慣れていくしかないですね」と、井上本人も、これが米国流だと受け止め納得している。 その米メディアの取材のひとつとして受けたインタビューの動画が米「ヤフースポーツ」に掲載された。 その年の最も優秀なボクシングライターに寄与される「ナット・フライシャー賞」を2006年に受賞しているベテランライターのケビン・イオレ氏によりリモートで行われたインタビュー。 「これまで日本からアメリカに来てビッグストーリーを作ることのできるボクサーは誰もいなかったが、あなたはスーパースターになるためにここに来たのか?」と聞かれ「スーパースターに近づくための試合。その意気込みで来ました」と即答した。 昨年11月のWBSS決勝戦、ノニト・ドニア(フィリピン)戦について「簡単に倒すと多くの人が思ったが、年間最高試合候補となるほどの凄い試合になった。あの試合があなたのトップレベルか?」との質問には、「あの試合は、いい意味でファンの期待を裏切ったというか予想とは違う試合にはなった。2ラウンド目に眼窩底骨折を負った。その中でやれることのボクシングだった。あれはトップのボクシングではないと自分では考えている」と答えた。 また「性格上、攻撃的ボクシングは好きです」と言い、「あなたはボデイパンチャーとして優秀だと思う。ボディで相手の気持ちが折れダウンするのを楽しみにしているのか?」と問われ、「(ボディは)相手を弱らせる攻撃,KOするひとつのパンチと考えている。学んだものであり、自分がやられて嫌なことをする意識で打っている」と説明した。