井上尚弥が米メディアに語った「スーパースターに近づくための試合」の決意とパッキャオ再来への期待
挑戦者のマロニ―が「あいつはモンスターではない。彼の中に弱点はある」とコメントしていることへの感想を聞かれたが、落ち着いて、これまで日本でも語ってきた気持ちを口にした。 「そのようなコメントは、今まで戦ってきた選手がみんな口を揃えて言っているので、それほど気にはならない」 そしてマロニ―については「マロニ―を分析すると突出したものはないが、すべてにおいてレベルが高い」と語った。 日本のメディアと同じくイオレ氏も「マロニ―は非常にタフでKOされたことがない。KOできるか?」と質問したが、「リングで向き合ってみてから感じることが半分以上あると思う。考えている作戦というか、隙のない選手なんで、じっくりと、そこはリング上で確かめていきたい」と返答。あえてKO宣言はしなかった。 また今後について、当初予定されていたWBO世界同級王者、ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)との統一戦の可能性を聞かれ、「もちろん。結果次第ですが、カシメロがベルトを持っているんで、その戦いに関しては譲れないものがある」と、本音を隠さず、イオレ氏に伝えた。 このインタビューを元にイオレ氏は、ヤフースポーツに、「パワーパンチャーの井上尚弥が、マニー・パッキャオが歩んだボクシングの栄光への道に続く」との見出しを取り、6階級制覇王者のパッキャオに続くアジア発のスーパースターとなる可能性があるという主旨の記事を掲載した。 「井上は、ただ相手を倒すだけでなく、相手を粉砕し、多くの場面で相手の意識を奪う。パウンド・フォー・パウンドの拳の中にマイク・タイソンがヘビー級として持ち合わせたものと同じパワーを手に入れた。彼は、パッキャオが成し遂げたことを可能な限り果たすことを求めてトップランクと契約し、ラスベガスへとやってきた」と絶賛。 米国で井上をプロモートしているトップランク社のトッド・ドゥボーフ社長の以下のコメントも紹介されている。 「言葉の違いはありながらも、彼がたっぷり自信を持っていることがわかると思う。彼の存在感もユニークだ。パワーと結び付けて、彼を破壊的なパンチャーとすれば完璧なテレビ向けのファイターになる。マニー(・パッキャオ)と彼の共通しているところはパワー。(ミニマム級で22度連続防衛記録を持つ)リカルド・ロペス(メキシコ)は、これまで見たいと思ったボクサーの中で最も洗練されていたのかもしれないが、(井上は)マニーが持っていたような破壊的なパワーを持っている」 そして記事を「WBSSのドネア戦で2ラウンドに眼窩底骨折を負いながら、その後の10ラウンドを戦い切りしっかりと判定勝ちをした。このことは、彼がこの厳しい市場を打ち破ることができ、業界の顔の1人となれるかもしれないという理由となる。(これができたのは)パッキャオだけだ。これまでの試合での判断だが、井上は、このボクシング界で最大の大物の1人となるには申し分ない(実力を持っている)はずだ」と、結論づけた。 マロニー戦を前に“モンスター”井上への「パッキャオの再来」としての期待感が本場米国で高まっている。