「母子手帳を見るのがつらかった」医療的ケア児である息子の育児経験から生まれた、1冊の育児ノートに込めた思い【体験談】
1年半かけて開発した「障がい児・医療的ケア児のための育児ノート」
2021年に「cocoe」の第1弾商品として誕生した「障がい児・医療的ケア児のための育児ノート」。入院歴や既往歴、輸血歴、てんかん発作の有無など、通常の母子手帳にはないページが設けられ、障害児や医療的ケア児を育てる家族から大きな反響が寄せられました。 「育児ノートをつくるにあたって着想から試作を重ね、1年半ほどかけてようやく商品ができました。私だけの感覚や価値観でつくりたくなかったので、まわりの知り合いや、ほかの医療的ケア児を育てるママたち100人ほどにご協力いただき、サンプル版を実際に使用してもらうモニタリング調査を行ったりしました。 こういった言葉の表現は適切だろうかとか、当時こういうページがあったらよかったかもしれない、というリアルな声を参考にさせていただいて。100人のママたちに背中を押してもらい、こういう商品なら医療的ケア児のご家族たちを少しでも助けることができるかもしれないという希望と自信をいただいて、発売に踏み切りました」(山崎さん)
障害児や医療ケア児のママたちが迷いなく買えるように
「育児ノートは、ご家庭によっていちばん使いやすいかたちで提供したくて、1人ひとりの成長度合いや特性に合わせることができるカスタマイズ型にしました。 とくにこだわったのは、身体障害者手帳の番号などを記録するようなページですね。このノートはふつうの健常児でも使えるんですが、でも障害児や医療ケア児のママたちが迷いなく買えるようにしたかったんです。当時、私が母子手帳を見てつらかったのは、子どもの成長記録や思い出を残すページで『できない、やれない』ということを何度も突きつけられて悲しかったり、それに対して罪悪感を感じたりしたから。そういった家族の思いを変えたいからこそ、ご家族の暮らしや心情にしっかり寄り添う必要があると思いました。 実際に購入してくれたママたちからは、cocoeの商品ページにレビューのお言葉をたくさんいただいています。記録だけではない大切な部分をかたちにすることができたという声や、中には『しあわせをありがとう』というありがたいお言葉をくださる方もいて。少しでもママたちの役に立てたのかなと思うと、これほどうれしいことはありません。使ってくださる皆さんの声が何よりの励みです」(山崎さん)