<ヘッドフォン祭>AKフラグシップDAP「A&ultima SP3000」に “プラチナ” モデル/ “ブリティッシュサウンド” ONIXのDAPとDACに注目
フジヤエービックが主催する、50以上のポータブルオーディオ関連ブランドが集う展示会イベント「夏のヘッドフォン祭mini2024」が、本日7月27日(土)に東京駅そばのステーションコンファレンス東京にて開催された。本稿では、発売間近/直後の新製品や開発中製品の参考出展などで賑わった会場から、アユート/MUSIN/ナイコムブースなどの模様をお伝えする。 【写真】各社の出展製品 ■AKフラグシップDAP「A&ultima SP3000」にプラチナの輝き加わる アユートは、Astell&KernブランドのフラグシップDAP「A&ultima SP3000」の数量限定生産/特別仕様 “Platinum Coated” モデルを参考出展。通常モデルと同じ904Lステンレス合金の筐体の上から、PVD技術によるプラチナ・コーティングを施したもので、世界300台限定生産となる。 プラチナは輝きの美しさはもちろん、耐食性に優れ変色しにくいという物理的な長所もある。チューニングや機能、操作性については通常モデルと変わらないが、本モデル専用の起動画面が用意されている。また、一頭の馬からわずかしかとれない高級皮革「コードバン」を用いたレザーケースが同梱。フラグシップモデルにふさわしい上質さを、一層突き詰めたモデルと言えそうだ。 過去のイベントでも登場した、数々の発売前製品も引き続き登場し、来場者の試聴ターゲットに。ダイナミックドライバー/BAドライバー/骨伝導ドライバー2基を搭載し、ケーブルにも独自の意匠を施したEMPIRE EARSのトライブリッド(トリブリッド)イヤホン「TRITON」、10mmベリリウムコーティングドライバー1基を搭載するAZLA「HORIZON II」などの製品をいち早く体験できた。 ■“ブリティッシュサウンド” のONIX、DAPに加えてポータブルDACも MUSINはShanling/iBassoブランドに加え、ONIXブランドから7月31日に発売となるDAP「Overture XM5」(約13万円)を目玉として出展。英国生まれのブランドならではの “ブリティッシュサウンド” を持ち味とするブランド初のDAPで、試聴した来場者からは音質はもちろん、バランス出力でも約12時間持つバッテリー持ち、タッチパネルと4つの物理ボタンによる操作性なども評価されているという。 同じくONIXからは、いわゆるドングル型(スティック型)のポータブルDAC/アンプ「Alpha XI1」も参考出展。 シーラス・ロジックのDACチップ「CS43198」を2基搭載し、PCM 768kHz/32bit、DSD256(11.2MHz)までの再生に対応。3.5mmシングルエンド/4.4mmバランス接続が可能なモデルとなる。ブーススタッフによれば、他のONIX製品に比べてDACチップの個性が多少強めに出ているものの “ブリティッシュサウンド” はしっかりと受け継いでいるのだとか。8月から9月の間に、約1.5万円ほどで発売を見込んでいるという。 ■ORIVETI/THIE AUDIOは “トライブリッド” イヤホンがトレンド イベントのメインビジュアルとしても採用された、ORIVETIイヤホンのフラグシップモデル “GRAND ORIVETI”「SUPREMACY」が登場。静電トゥイーター(EST)×4/BAドライバー×4/ダイナミックドライバー×1のトライブリッド・9ドライバーモデルで、クリアかつナチュラルなサウンドが持ち味という。樹脂を含ませることで高い強度と独特の風合いを出したスタビライズド・ウッド製の筐体も特徴的だ。約35万円で7月~8月ごろ発売を予定している。 THIEAUDIOからも、同じく2EST/2BA/2ダイナミックのトライブリッド構成を採用したイヤホン「Oracle Mk III」が参考出展。前モデル「Oracle Mk II」に比べてダイナミックドライバーが1基増えたことに加え、2基のダイナミックドライバーを連動させる同ブランド独自の低域設計「IMPACT2」も投入しており、モニター志向のフラットでバランスの取れたチューニングはそのままに、より深く引き締まった低音が再生できるそうだ。発売時期は8月ごろ、価格は9万9000円ほどが見込まれる。 ■NOBUNAGA Labsの16芯ケーブルに最上位「パラジウムメッキ」モデルが追加 ワイズテックのケーブルブランドNOBUNAGA Labsからは、レアメタルのパラジウムをメッキした4N銀導体を用いる “VISIONシリーズ” から、16芯モデルが参考出展。同ブランドの16芯構成のケーブルの中でも最上位に位置付けられ、音像定位と情報量が格段に向上し、重厚で濃密な臨場感が味わえるという。最上位モデルということで、価格は7万円を超える見込み。年内には発売できるという。 DAPとアンプの接続などに使用するインターコネクトケーブルも、さまざまな種類の導体を用いた試作品を展示。金メッキ純銀導体、パラジウムメッキ導体、高純度銅/金メッキ純銀/純銀の3種混合導体などなど、同社のイヤホン/ヘッドホン用ケーブルと同じ素材が用いられている。これらも年内に順次発売する予定とのことだ。 ■こだわりのデザイン、チューニングの限定モデルも各社から登場 地球世界&スターズフュージョンブースでは、TANCHJIMブランドのポータブルDAC/アンプ「LUNA」が参考出展。シルバーの色を中心にまとめられた通常モデルと、ブランドオリジナルキャラクターが精細に刻印された限定モデルがラインナップ。音質面の仕様などについてはまだ決定していないが、通常モデルはおよそ2万円ほど、限定モデルは3万円ほどを見込んでおり、9月~10月ごろに発売するという。 アコースティックエフェクトは、秋口をめどに発売準備を進めているという新モデルを参考出展。人間工学に基づく新ハウジングを採用しているのが、従来モデルと大きく異なるポイントだ。ハウジングの形状やチューニングはほぼ完成しており、デザインなど細部を詰めている段階とのこと。 ラディウスは、本体/ケースのデザイン、ガイダンス音声に至るまで「猫」をモチーフにした8月発売の完全ワイヤレスイヤホン「NEKO true wireless earphone(HP-C28BT)」を全色展示。5月にクラウドファンディングを完了し、今後一般販売を予定する “ながら聴き” 向きの骨伝導完全ワイヤレスイヤホン「Beethoven(HP-B100BT)」も体験できた。 WAGNUS.は、8月中旬から一般販売を開始する新作イヤホンケーブル「Ramune Soda Lily」を展示。フジヤエービックでは先行販売も実施している。名前の通りガラス瓶入りのラムネ飲料をモチーフにしており、音質も “ガラス瓶を思わせるきらめき感” や “甘く膨らむ中域”、“炭酸のような爽快感のあるレスポンス” を味わえるそうだ。価格はカスタマイズ無しの標準仕様で1万9800円。 宮地商会は取り扱いブランドRhapsodio(ラプソディオ)より、アナログアンプ「Carbon Force」(約9万3000円)を出展。同ブランドのフラグシップイヤホン「Supreme V3」(約97万円)に合わせて開発したクラスAアンプで、入出力は4.4mm 5極バランスのみ。もちろんSupreme V3以外のイヤホンともマッチし、インピーダンス100Ωまでのモデルであれば楽々ドライブし、音楽のディテールをつぶさに表現するという。 昨日7月26日からクラウドファンディングを開始したWHISMR(ウィスマー)のASMR向けバイノーラルマイク「W-BM1」。バイノーラルマイクとしては小型でポータビリティに優れるのが特徴で、上下に備えたカメラ用1/4インチネジにスマホホルダーや三脚を取り付けることが可能。ASMR以外にも、動画の音声録音、楽器演奏録音などに気軽に持ち出せるとしている。一般販売価格は5万9800円を予定しているが、クラウドファンディングでは4万4800円から購入できる。
編集部:成藤 正宣