谷原章介さん、毎日の司会業を続けながら舞台の主演ってハード過ぎませんか?
俳優でキャスターの谷原章介さんが、約2年ぶりの舞台『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』に主演します。毎日の司会業を続けながら舞台でも主演というハードワークにあえて挑戦する意図とは? PEOPLE NOW
情報番組「めざまし8」の総合司会を務める俳優でキャスターの谷原章介さんが、約2年ぶりの舞台『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件』に主演(花總まりさんとのW主演)。忙しさにかまけて妻への思いやりを忘れた夫・デイビッド役を演じます。 23歳で俳優デビュー後、数々のドラマや映画に出演しながら、情報バラエティ番組のキャスターやナビゲーターも長年務めてきた谷原さん。インタビュー後編では、俳優とキャスター業を両立する苦労や喜び、ご自身の未来像について伺いました。
この緊張があと何年続くんだ? と思った時、深海に潜っているような気分になった
── 「めざまし8」では、月曜から金曜朝の生放送で司会を務められています。些細なひと言がきっかけでSNSで炎上するなど、リスクの高いお仕事かと思いますが、日々どのようなスタンスで臨んでいますか? 谷原章介さん(以下、谷原) そもそもそういう仕事だと思ってお引き受けしたので、そうしたリスクに対して特に嫌だなと思うことはないです。ただ、言葉選びをもうちょっと慎重にやり、伝え方の精度をより高めないといけないとは思っていて。 それは炎上を避けたいということではなく、言葉足らずでこちらの意図がきちんと伝わらないことの方が僕は良くないと思うので。その点だけは気を付けています。 ── 常に気が抜けないと思うのですが、あまり気負わないタイプですか? 谷原 緊張はします。でも、気を抜かないことが当たり前になれば、その状態が続くことがあまり負荷にならないといいますか。
── 環境を窮屈に感じることは? 谷原 最初は息苦しかったですよ。「めざまし8」が始まって3日目か4日目ぐらいに、体は眠りたいはずなのに、ホントに息苦しくて、朝1時間早く目が覚めちゃったんです。 これがドラマの撮影だったら、どれだけ朝が早かったり緊張が解けなくても、せいぜいワンクールで終わるわけで、「あと2カ月頑張れば(やり遂げられる)!」と思えるんです。でも今回は、「あとどれくらい頑張ればと思えないな……この緊張があと何年続くんだろう?」と思った時、深海に潜っているような気分になってしまって。息苦しくてどうしようもなくなり、3時すぎに起き出して1時間ほどクルマをぶっ飛ばして家に戻ってきました(笑)。 ── そのプレッシャーをどう乗り越えるんですか? 谷原 やるまでは怖いんですけど、やり始めたらあとはもう、まな板の上の鯉みたいなものなので。始まれば終わるし、やらなければ終わらないし。ですから、乗り越えるというより、 始めたら自然に終わるものだと思っています(笑)。 ── そう思えるようになったのは、「めざまし8」を始めてどれくらい経ってからですか? 谷原 僕は生放送の経験自体は長いので、ずっとそういう感覚でやってはいるんです。ただ、たとえば週1回、エンタメの情報だけを伝える「王様のブランチ」(2006~2016年まで司会を担当)の頃と今とでは、重さは全然違いますよね。 「めざまし8」は、より皆さんの生活に直結しているし、政治であったり、今ずっとお伝えしている災害の情報など、皆さんの生活の根底を揺るがしかねないような大変なことも報じなければいけない。そうなるとハレーションも当然大きくなります。 ポジティブなエンタメ情報だけなら良いハレーションが起きますけど、ネガティブな報道もせざるを得ない時にはネガティブなハレーションも起こってくるので、最初の話にもつながりますが、保身という意味ではなく言葉選びはしっかりやります。 あえてその言葉を選ばないというような時も、炎上を怖がって言わないのではなく、“この番組はこういうことを大事にしたい”という思いのもと、人を傷つけたくないから言わないわけで。そういう番組としてのポリシーを持たず、保身のためにただやり続けるのであれば、やる意味がないなと思います。