【コアラ】睡眠は1日20時間、胸からギトギトの液体を出す…知られざるコアラの“すごい生態”とは?
オーストラリアの固有種であるコアラが、初めて日本にやってきたのは1984年10月25日でした。これを記念として、10月25日は「コアラの日」とされています。 【写真】どうしてこんな寝相になるの!? コアラのクセが強くて可愛すぎる寝姿を見る コアラといえば、主食はユーカリという木で、だいたいこのユーカリに抱き着くような姿勢でいるイメージですが、コアラの飼育頭数が日本一の平川動物公園(鹿児島市)によると、まだまだ私たちの知らないコアラの生態があるといいます。 この園に暮らすコアラたちのかわいい写真をたっぷり眺めながらその生態を知れる『すごいコアラ! 飼育頭数日本一の平川動物公園が教えてくれる不思議とカワイイのひみつ』(新潮社)より、個性あふれるコアラの実態を紹介します。 ※以下、同書をもとに再構成しました。 ***
コアラが1日20時間も寝る理由とは? 寝相には個性も
ユーカリには毒素があり、コアラが食べても平気なのは、盲腸の中に毒素を分解できる腸内細菌を飼っているからです。しかもその盲腸は、体長約70センチに対して2メートルもあります。毒素と、硬く繊維も多いユーカリの葉を消化分解するには、たくさんの時間とエネルギーが必要となり、1日20時間も眠ったり休んだりしているのです。 王道の丸まって眠る姿以外にも、寝相にはコアラたちの性格や個性がたくさん出ていま す。よーく見ると半目になって眠っている子もいるんです(笑)。
可愛いコアラから野太い声、ギトギトの液体でマーキング
コアラのオスは2歳前後から「テリトリーコール」という、何とも言えない野太い声で鳴き出します。これは、自分の存在を他のコアラに示したい証拠です。 そもそも野生のコアラは、縄張り意識が強い動物です。ユーカリの生えている量によっても大きく変わりますが、最小でも1ヘクタールはある広大な縄張りの中に、1頭のオスが木の上でポツンと単独で暮らしています。 エサの取り合いは避けたい。けれども、メスは近くにいてほしい。そこでテリトリーコールをするのですが、コアラの可愛い姿からは想像がつかないほど、のけ反った体勢で鳴きます。 それに加え、性成熟を迎えたオスは、発達した胸の臭腺から出るギトギトの液体を、いろんなところに擦りつけてマーキングします。 2022年生まれのまだ子供のコアラでも、年齢的には思春期に当たるので、朝の掃除の時にメスのにおいがついた飼育員が入ると「自分の縄張りにメスがいる」と、そわそわ動き回り、掃除道具や長靴のにおいを嗅ぎ、時には噛むこともあります。この行動こそ、大人への第一歩です。逆にこのような動きが盛んにある方が、いいオスに成長していると感じます。