元世界王者・高山勝成のプロ復帰戦が相手の新型コロナ陽性で当日中止…12月に計画中の3つの世界戦は開催できるのか?
プロ野球の新型コロナ感染予防対策や各チームの管理体制などの現状を、この1年、現場で取材してきたが、ボクシングは感染リスクの高いコンタクト競技という競技性もあり、JBC、協会サイドはプロ野球界以上に神経を使い、興行実施に向けて可能な限りの感染予防対策を進めてきていた。だが、JBCや協会側と、興行の主体者であるジム、選手、関係者側の感染予防に対する意識のギャップが見られる。ジムによって、運営、管理意識の温度差も激しい。 ここまで見かねたJBC、協会サイドがペナルティを科したケースもあるが、それは氷山の一角。 「ボクシングがなくなってしまう」という共通の危機感を全ジムの責任者が抱き、真剣に新型コロナの感染予防と向き合わなければ、この厄介な敵とは戦えない。社会的責任を感じて万全の対策を実施してきた大手ジムでさえ、陽性者が出てしまうという“第三波襲来”の現状もあるのだ。 JBCの安河内事務局長が言う。 「ウイズコロナなんて生やさしいものじゃない。ボクシングが生き残るためのコロナとの闘いなんです」 大晦日には井岡ー田中のビッグバウトも控える。国内最大の世界戦を成功させるためにも一滴の水も漏らさぬ新型コロナの感染予防対策と、業界全体の意識、モラルを高める作業が必要になってくる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)