元世界王者・高山勝成のプロ復帰戦が相手の新型コロナ陽性で当日中止…12月に計画中の3つの世界戦は開催できるのか?
PCR検査の精度の問題は、これまでもずっと指摘されていたが、JBCサイドは、「現状ではPCR検査を指標にするしか方法はない」としている。またPCR検査の結果が出るまでに時間が必要のため「偽陽性」かどうかを確認する作業時間がなく、とても興行の開始時間には間に合わず今回の決定は致し方なかったとしている。 11月2日にも試合前日に陽性反応が出て京口の世界戦が緊急中止になったばかり。収まらない新型コロナの感染拡大にボクシング界にショックが広がっている。JBCの安河内事務局長も「すでに何が起きてもおかしくない状況にあると考えざるを得ない。検査体制のみならず、興行そのもののあり方も含め26日のコロナ対策小委員会で協議する予定」とコメントを発表した。 新型コロナの感染が始まると、プロボクシング興行は、当初は全面ストップ、その後、7月に無観客から再開、人数を制限しての客入れ興行へと、段階を経て徐々にステップアップしているが、「再度、自粛、あるいは、無観客というものを視野に入れて、再検討しなければならない」と、危機感を強めている。 12月には、中旬に正式発表が延期になっている世界戦、26日には京口の仕切り直しの世界戦が、いずれも大阪で計画されていたが、中止(延期)となる可能性が濃厚だという。 京口が所属するワタナベジムの渡辺会長も「この感染拡大の状況でやっていいのか悪いのか賛否両論ある。慎重に検討したい」と説明していた。未発表の世界戦は、地上波で放送予定だが、関係者によると、京口の世界戦前日中止や、今回の高山ー小西戦の当日中止の事態を受けて、「放送枠を押さえてやるにはリスクが高すぎる」と、放送局サイドが及び腰になっているという。 それらのリスクを回避するため、試合の2、3日前のPCR検査の実施と、隔離期間を延ばすことも、今後の検討課題に上がるというが、その場合はプロモーターの経費負担増という問題が浮上し、そう簡単にガイドラインを改定できないという事情もある。