帯状疱疹のワクチン定期接種へ 50代から急増 激しい痛み「顔面神経まひ」「失明」も
厚生労働省は高齢者を対象に、帯状疱疹(ほうしん)ワクチンの定期接種を実施することを決めました。 【画像】発症した59歳女性「痛みに脅迫されている感じ」恐怖語る
■2014年から発症率が増加
帯状疱疹にかかった人(59) 「(発症したのは)介護でしんどかった部分があった後で、精神的にも体力的にもすごく疲れた時だったと思う」 こう話すのは1カ月前、帯状疱疹を発症した59歳の女性です。最初、尻の左側だけのかゆみでしたが、1週間ほどで痛みに変わり、今は左足全体に痛みが広がっているといいます。 帯状疱疹にかかった人 「何もしていなくても突然、ズキズキ、キリキリって痛くなる。痛さで目が覚めるみたいな感じで、夜はぐっすり寝られない。(痛みが)治まっている時は忘れられるけど、また痛いのがいつ来るかということも相まって、痛みに脅迫されている感じ」 50代から急激に増えると言われている帯状疱疹。2017年には、上皇后さまが帯状疱疹と診断されました。原因は海外の訪問による疲れとみられています。 帯状疱疹の原因は、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスです。 治った後も体内にウイルスが潜伏し、ストレスや加齢、免疫力の低下などで再活性化し、帯状疱疹が発症すると言われています。 愛知医科大学 渡辺大輔教授 「帯状疱疹はどこに出てもおかしくないが、例えば顔に出ると一部の人は顔面神経まひの合併や、目の周りだと視力低下が起きることもある。本当にごくまれだが、失明の場合もないわけはない」 およそ30年前から発症率が増加傾向にある帯状疱疹。2014年を境に発症率がぐんと増えています。 この年に、子どもへの水ぼうそうワクチンの定期接種が始まり、水ぼうそうにかかる子どもが激減しました。水ぼうそうが減ったにもかかわらず、なぜ帯状疱疹の発症が増えたのでしょうか。 渡辺教授 「大人というのは周りの子どもや自分の子どもが水ぼうそうになると、そこからウイルスが排出されるが、それを浴びることによって免疫がある程度維持されていたが、そういう機会が少なくなってきた」