「ここまで来たら“離婚が正解”」のラインはどこ?専門家監修「離婚可視化シート」を記入して合理的に考えてみる
「眼の前の相手と永遠の愛を誓ったなんて嘘だ!昔とぜんぜん別人じゃないか。永遠に同じ空気を吸うなんてありえない。離婚するっきゃない」 【画像】「ここまで来たら“離婚が正解”」のラインはどこ?専門家監修「離婚可視化シート」を記入して合理的に考えてみる 結婚式当日、ほとんどの夫婦は「一生この人と愛し合うんだ」と心躍らせたことでしょう。それが、いつの間にかストレス&イライラが爆発して“離婚”の文字が脳内を駆け巡る。 でも子どもが嫌がるだろうし、教育費も家賃も1人では払いきれない。子どもが成長するまでなんて、10年以上先のこと。私(俺)10年、耐えられるんだろうか。 モヤモヤを抱えながら、離婚を先送りにしているかたがたがひっきりなしに筆者の運営する夫婦仲相談所にやってきます。 今回の記事では、離婚を切り出す”適切時期”を、いろいろな角度から考えて見ましょう。もしかしたら離婚しないほうが幸せな一生をすごせる場合もあるかもしれません。 なお、本気記事の作成にあたってはMYパートナーズ法律事務所所属の弁護士、吉成安友氏に監修をしてもらいました。
いつ離婚すればいい?誰かおしえて
裁判所が公表する2023年度の「司法統計」によると、婚姻関係事件(離婚調停)の申し立て理由のランキング1~5位は、以下のようになっています。 【男性】 1位:性格の不一致 2位:精神的な虐待 3位:異性関係 4位:浪費 5位:家族親族と折り合いが悪い 【女性】 1位:性格の不一致 2位:生活費を渡さない 3位:精神的な虐待 4位:暴力 5位:異性関係 男女とも1位は「性格の不一致」。抽象的な言葉ですよね。でもお2人はつき合ったんでしょって突っ込みたくなる。育ってきた背景などが異なる2人が夫婦になるわけですから、元々性格は一致しなくて当たりまえ。その溝がなかなか埋められないカップルが多いことを示しています。 また、「精神的な虐待」が2位と3位。「浪費」と「生活費を渡さない」が4位と5位となり、モラハラなどの精神的辛さと、お金が少ないと生きてゆけないの理由が上位に入っていることも注目すべきポイントです。 夫婦仲相談所でもこの2つに関する相談は多く寄せられます。 精神的な虐待は「暴言を吐く」「物を壊すなど威嚇する」のような相手に恐怖感を与えるものだけでなく、「無視する」「わざとため息をついたり、舌打ちをしたりする」「嘘をつく」のように相手を不安にさせたり不愉快にさせるものもあり、内容はさまざま。 パートナーのこのような行為を虐待とは思わず、自分を責めてメンタルに障害を抱えてしまったり、自信を失って相手に支配されてしまったりすると、その環境から抜け出すことが難しくなります。 一般的に離婚に踏み切るまでに時間がかかる例が多いのも、精神的虐待を理由とする離婚の特徴です。 経済的理由での離婚の相談は、近年の厳しい経済状況や格差の広がる社会状況を反映して、増加していると感じます。 共働き家庭が当たりまえになった昨今ではありますが、やはりまだ女性側の就労がパートなど非正規である場合も多く、パートナーの収入がないと生活が立ちゆかない例も少なくありません。子どものお迎えや、病気時の対応も母親に頼るケースが多いと聞きます。 しかし、離婚に踏み切れるだけの経済力がある女性はまだいいほうで、経済的に弱い立場であるからこそ、離婚に向かって動けない女性もたくさんいます。 どんな夫・妻だったら離婚したほうがよいのか。どこまでひどい仕打ちを受けたら離婚を切り出すのか。その線引きは一言では決められません。 それぞれが自分の離婚理由を過去、現在、未来にわたって考え、合理的に考えることが必要です。 そこで、以下のように離婚すべきかどうかを考えるシートを作成してみました(著作:恋人・夫婦仲相談所)。