「ここまで来たら“離婚が正解”」のラインはどこ?専門家監修「離婚可視化シート」を記入して合理的に考えてみる
夫婦仲のプロ監修「離婚可視化シート」でラインを考える
シートの縦軸は主な離婚理由です。 ランキングに上がっていた経済面、モラハラやDVなどの問題行動、浮気、性格の不一致による日常生活の問題の他、「愛情」「性生活」「家庭への貢献」「介護や看護」などを追加し、10項目に整理をしてみました。筆者の専門分野セックスレスは、性生活に括りましたが、実際はセックスレスだけでも10項目できるのでそれはまたの機会に。 横軸はそれらの課題を時系列に考える欄です。「過去に問題があった」「現在問題がある」「将来発生するリスクがある」という視点で、各理由について考えてみます。 たとえば下記は実際に、夫婦間に問題を抱え、離婚しようかと悩んでいる綾香さん(42歳 仮名)に記載していただいた例です。 もともと綾香さんの夫は結婚前から多額の借金のあるかたで、その返済に向けて複数の仕事を掛け持ちしていました。2人の信頼関係は十分にあったものの、夫の長時間労働から生まれる日常生活でのすれ違いや、家事育児への不参加という過去の問題がありました。 現在、綾香さんの夫は転職し、長時間労働はなくなったものの借金返済問題は継続中。過去のすれ違いから生まれた価値観の相違から、2人の信頼関係や会話の減少、セックスレスの問題が発生してきています。 夫は以前よりも家にいる時間が増えたにもかかわらず、家事や育児への参加は少ないままで、それに対する綾香さんの不満も大きく、家事分担に関する夫婦喧嘩も絶えません。喧嘩が起きるたびに夫が癇癪を起して壁に向かって物を投げるなど、モラハラ的な行動も見え始めています。 最後に未来に目を転じてみると、夫の借金の返済はあと10年ほど続きます。現在の仕事はとりあえず安定していますが、将来性という面では不安。価値観の違いから減ってしまった夫婦間の信頼関係や会話、セックスの回数などは、今後も回復することが難しそうな状況です。夫のモラハラ行動から、綾香さんがメンタルを病んでしまうリスクも考えられます。さらに一人っ子の夫の父母の介護も綾香さんにのしかかってくることが予想されます。