なぜ森保監督はW杯予選最後のベトナム戦を「消化試合にしない」と明言したのか…久保建英や三笘薫らを先発抜擢方向
つまり、現時点で日本よりも上位のイタリア、コロンビア、ウェールズ、イラン、ペルーの5ヵ国が日本のポット分けを行う上で関係なくなる。さらに上位にランクされている5ヵ国のうち、少なくとも3ヵ国が29日もしくは30日の戦いで出場権を獲得できなければ、日本はカタールを含めて16番目にランクイン。ポット2に振り分けられる。 対象となる5ヵ国は北マケドニアと戦う8位のポルトガル、エルサルバドルと戦う12位のメキシコ、コスタリカと戦う13位のアメリカ、ポーランドと戦う17位のスウェーデン、そしてエジプトと戦う18位のセネガルとなっている。 すべての国がワールドカップ出場権獲得へ向けて必死であり、特にメキシコとアメリカが勝ち点だけでなく得失点差でリードしている北中米カリブ海予選は、カナダに続いて自動出場権を得られる2位と3位が両国で動かない可能性が高い。 それでも日本がベトナムとの最終戦で勝利を収めなければ、ポット2に入る可能性も閉ざされる。公式会見で抽選会へ向けた状況を問われた森保監督は、日本がやるべきことはこれまでも、そしてこれからも変わらないと前を見すえた。 「いろいろな結果は後付けだと思っている。目標を掲げ、高い基準を持ちながらも常に目の前の一戦に最善の準備をして、全力を尽くしてしっかりと前進してきた積み重ねが、ポットのところを含めた結果だと思っている。まずは自分たちがいま何をしなければいけないのか、というところは今後も変わることなくやっていきたい」 日本のFIFAランキングの変遷を振り返れば、昨年10月の時点では28位だった。1勝2敗で迎えたアジア最終予選の正念場、埼玉スタジアムでのオーストラリア戦を2-1で制し、新システム4-3-3のもとで反攻に転じた直後だった。 11月以降は白星を5つ、しかもすべて完封勝利で積み重ね、最低限の目標だった7大会連続7度目のワールドカップ出場権をゲット。同時にFIFAランキングもじわじわと上昇させてきた軌跡を、指揮官は選手たちの存在に帰結させた。 「日本にはいい選手たちが大勢いる。彼らが持っている力を100%発揮し、同時にチームとしても100%の力を発揮すれば、勝つ確率は自然と高くなる。勝利が我々に近づいてくると私に思わせてくれる、素晴らしい選手たちだと思っている」 日本サッカー協会(JFA)は28日夜になって、ベトナム戦に臨む日本代表選手1人から新型コロナウイルスの陽性反応が出たと発表した。 同日に実施された検査で確認されたもので、無症状だった当該選手はすでにチームから離脱して療養に入った。ガイドラインに従って感染防止対策を徹底していたためチーム内における濃厚接触者はおらず、全員の陰性が確認されている他の選手たちから体調不良の報告もないとして、ベトナム戦開催への影響はないとも発表された。 振り返ればコロナ禍に振り回され続けた2年あまりだった。