勝てばW杯が決まり負ければ3位転落の豪州戦に若手抜擢は必要か…森保監督が可能性を示唆
日本代表の森保一監督(53)が8日、オンラインによるメディアの取材に応じ、勝てば7大会連続7度目のワールドカップ出場が決まる、24日のオーストラリア代表とのアジア最終予選第9戦(シドニー)へ向けたメンバー選考に言及した。 FW大迫勇也(31、ヴィッセル神戸)をはじめDF長友佑都(35、FC東京)、DF冨安健洋(23、アーセナル)ら所属クラブで直近の試合に出ていない主力が多い状況で、森保監督はベンチ入り上限の23人を超える選手を招集する方針を示し、そのなかで経験を積ませるために次世代を担う若手有望株を抜擢する選択肢もあると明らかにした。 一方で負ければオーストラリアに入れ替わられてグループBの3位に転落し、1試合を残して自力での自動出場権獲得が消滅する大一番だけに、経験豊富なベテラン勢もラージグループのなかに入っていると明言。顔ぶれは「半分以上は固まっている」というメンバー選考をめぐり、ぎりぎりまで代表スタッフ内で議論を重ねていく。
「次の世代の選手に経験を積ませることを常に考えている」
勝てばカタール行きの切符を獲得し、負ければアジアプレーオフをへて南米5位との大陸間プレーオフを戦う可能性が大きくなる。文字通り生きるか死ぬかの大一番となる、敵地シドニーでのオーストラリア戦がいよいよ間近に迫ってきた。 オーストラリア戦に続いて29日には埼玉スタジアムで、ベトナム代表との最終戦に臨むアジア最終予選の3月シリーズ。8日にオンラインによるメディアの取材に応じた森保監督は、メンバー選考に関して「半分以上は固まっている」と語った。 もっとも、オーストラリア戦前には高いハードルがそびえている。 まずはオーストラリアまでの移動だ。ヨーロッパからは長距離フライトとなり、東南アジアを経由しなければならない。森保監督も「日本からブラジルへ行くようなもの」と、ヨーロッパ組にかかる負荷の大きさを例えたことがある。 必然的にメンバー全員がそろってのトレーニングは、現状ではオーストラリア戦前日の一度しか組めない。対照的に移動距離が短く、時差もない国内組はJ1リーグを終えた後の19日夜に出発すれば、20日からシドニーで始動できる。 こうした状況を踏まえて、国内組を優先させる形を含めて、ベンチ入りできる上限の23人を超える選手を招集する方向で検討していると森保監督は明かした。 「最終的にはまだ決まっていないが、おそらく数人はプラスで来てもらおうかなと考えている。通常の招集人数に加えて、各ポジションに一人ずつぐらいですかね」 各ポジションとはゴールキーパー、ディフェンダー、ミッドフィールダー、フォワードを指す。続くやり取りのなかで、こんな質問も飛んだ。これだけの痺れる試合なので、若い選手に経験を積ませるためにオーストラリアへ連れていくのはどうか、と。 指揮官は「それもスタッフの間で話しています」と否定しなかった。 「われわれは次の世代の選手、日本のサッカーをレベルアップさせてくれる選手に経験を積ませることも常に考えている。今回もそういう観点で、若くて経験の浅い選手で、なおかつ代表メンバーに欠員が出た場合にそのなかへ入って来られる、あるいは将来のA代表の選手になれるような選手を招集してもいいんじゃないかと話しています」 森保監督の脳裏には、国内組を対象とした1月の代表合宿が浮かんでいたはずだ。