なぜ森保監督はW杯予選最後のベトナム戦を「消化試合にしない」と明言したのか…久保建英や三笘薫らを先発抜擢方向
先発する長友佑都(35、FC東京)との交代で、後半途中から投入されるパターンが続いてきた中山は、ベトナム戦前日のオンライン取材でこんな言葉を残した。 「新たな競争は始まっている。チャンスがあれば、しっかり結果にこだわりたい」 ワールドカップ出場権獲得を告げるホイッスルは、カタールの舞台で戦えるメンバー争いが本格化するゴングをも鳴らした。リザーブに甘んじてきた選手たちが新たな可能性をベトナム戦で示せば、その分だけチームのポテンシャルも増していく。 今後を見すえれば、強化の場となる国際Aマッチは5月から6月にかけて4試合、そして9月下旬の2試合しか組めない。築き上げてきたベースに、さらにプラスアルファを上乗せする機会が極めて限られている。だからこそ消化試合にはなりえない。 さらにベトナム戦の勝利は、本大会の抽選にも影響をおよぼしてくる。 日本時間4月2日未明にドーハで行われるカタール大会の抽選会は、3月31日に更新される次回のFIFAランキングをもとにポット分けが行われる。 出場国をランキング順に並べ、第1ポットに開催国カタールとベルギー、ブラジル、フランス、アルゼンチン、イングランド、スペインで現状のまま動かないと見られる上位7ヵ国が入る。以下はランキング順に8ヵ国ずつが第2から第4ポットに振り分けられ、ひとつのポットから1ヵ国がAからHまで8つのグループに選ばれていく。 現在のランキングで日本は23位につけている。しかし、ユーロ2020覇者で6位につけるイタリアが、ヨーロッパ予選プレーオフのグループCの準決勝で北マケドニアに敗れ、2大会連続で本大会出場を逃す波乱が24日に起こった。 ヨーロッパ予選プレーオフのグループAでは、20位のウェールズが24日の準決勝を制した。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、スコットランドとウクライナによる準決勝は6月に延期され、自動的に決勝もずれ込んだ。 さらに南米予選では19位のコロンビア、22位のペルーが自動出場権を得られる4位以内を逃した。チリを含めた3ヵ国が29日の最終節で南米5位の座を争い、アジア5位と対峙する6月の大陸間プレーオフ突破に望みをかける。 北中米カリブ海予選4位とオセアニア予選覇者が対峙する大陸間プレーオフを含めて、6月に決まる代表国は自動的にポット4に振り分けられる。加えて、21位のイランが24日に韓国に敗れため、日本と順位が入れ替わることが確実になった。