問われる巨人の見識と姿勢…なぜ新型コロナ抗体検査陽性の坂本、大城をPCR検査前に2日の西武戦に出場させたのか?
抗体検査、PCR検査に詳しい関係者は、「G抗体だけが出た場合は感染リスクが低いためM抗体が同時に陽性でない限り、通常はPCR検査を行わないケースが多い。それでもPCR検査を行ったのは慎重を期したのでしょう。ならばなぜその結果が出る前に試合に出場させたのか。矛盾している。“微陽性”という言葉も初めて聞いた。PCR検査は、ウイルス遺伝子の増幅を繰り返すので、ヒューマンエラー、偽陽性という問題は起きるが、白か黒かが明らかになるもの。陽性反応が出たということは、ウイルスに感染している可能性が高いということ。しかも2人も陽性が出たのであれば、なおさらだ」と指摘した。 巨人はNPBの感染予防ガイドラインに従い、万全の感染予防対策をとっていたようだが、ロッカールーム、トイレなど、球場内を坂本、大城が”汚染”した可能性があり、さらにウイルス保有が疑われる状態で、試合前練習や試合を行っていたとなれば、感染の可能性のある濃厚接触者が出てくるリスクはある。 メジャーリーグでは、開幕を目指す研究の中で、「バッターと近いキャッチャー、審判などには、互いに感染リスクがある」としている。坂本は、2日の西武戦で「4番・ショート」、大城は「7番・キャッチャー」でスタメン出場。それぞれ3打席立った。西武のキャッチャーは森だった。 「抗体検査でIgG抗体が確認されていることから、2名の選手とも感染から回復して、かなりの時間がたったと思われる。よって他人に感染させるリスクは高くないと推察されるが、感染防止に努めるという判断に立って練習試合を中止し、濃厚接触者を特定してPCR検査を実施するという慎重な判断は支持したい」(新型コロナウイルス対策連絡会議の賀来満夫座長・東北医科薬科大特任教授)との見解があったとしても、抗体検査で陽性が出た時点で、PCR検査の結果が判明するまで、坂本、大城と、2人のスタッフはチームから隔離して試合に出すべきではなかっただろう。また慎重を期して2日の練習試合中止の判断があったとしてもおかしくなかった。