新背番号「15」のFC東京・久保建英が高校生Jリーガーの問題点を解決?!
16歳のJリーガーとして2018シーズンを迎えたMF久保建英(FC東京)が、通信制の高校に転校していたことが明らかになった。 FC東京U-18に所属していた久保は、昨年11月1日にトップチームへ昇格。21世紀生まれで初めてのプロ選手となり、11月26日のサンフレッチェ広島とのJ1第33節、12月2日のガンバ大阪との同最終節に、それぞれ後半途中から出場している。 迎えた今シーズン。昨年までガンバ大阪を率いた長谷川健太新監督のもと、13日から本格的に始動した新チームの一員として活動するうえで、懸案事項となっていたのが学業との両立だった。 久保は昨春に都内の全日制高校に入学している。昨シーズンは5月にU-20(韓国)、10月にはU-17(インド)と2つのワールドカップに年代別の日本代表として出場し、さらには海外遠征などもあった日程を考慮して、出席日数が制約されることに理解のある高校を選んだ。 実際、大会や遠征で授業を欠席するたびに、学校の教諭やクラスメイトたちの協力を得て、勉強の遅れをカバーしてきた。久保本人が希望した両立を目指して必死に頑張ってきたが、子どものころからの憧れだったプロとなると、次元がまったく異なる問題が頭をもたげてきた。 Jクラブのトップチームの練習は、原則として午前中に行われることが多い。FC東京も例外ではなく、13日に行われた初練習も午前10時のスタートだった。全日制の学校に通っていれば、練習に参加すること自体が物理的に不可能となる。 久保と両親、そしてFC東京側が慎重に協議を重ねた結果、同時期にプロ契約を結んだひとつ上のMF平川怜とともに、プロの活動を最優先させるために通信制の高校へ転向することを決めた。 久保は中学3年生に進級する直前の2016年3月に、FC東京U-15むさしからカテゴリーがひとつ上のFC東京U-18へいわゆる「飛び級」で昇格。同年9月にはトップチームに2種登録され、ユースに所属したままJリーグの公式戦に出場できる状況となった。 しかし、トップチームでのデビューは昨年5月3日、北海道コンサドーレ札幌とのYBCルヴァンカップ予選リーグまで待たなければいけなかった。心技体の準備が整わなかったこと以上に、トップチームの練習に参加できない状況がネックとなっていた。 どんなに才能があり、無限のポテンシャルを秘めていても、ぶっつけ本番でトップチームの試合に出られるほどプロの世界は甘くない。クラブ側は高校が休みとなり、気兼ねなく練習に参加できるゴールデンウイークまで待ち、デビューの舞台としてコンサドーレ戦を選んだ。