SG「第39回グランプリ」5日目・住之江ボート 『緑の稲妻』茅原悠紀、勝負駆け制して頂上決戦進出に充実の笑み
◇21日 SG「第39回グランプリ」5日目(大阪府・住之江ボート) してやったり、ではなかった。その表情は、調整に正解を得た喜びに満ちていた。1Rから全てイン逃げ決着となって迎えた11R。6号艇からの苦しい勝負駆けを制して頂上決戦進出を決めた茅原悠紀(37)=岡山=は、ピットで充実の笑みを浮かべた。 「2走目までが参考外。2走して回ってないのがよく分かったので回していった。エンジンがいいんで前に出た感じですね」 いつかどこかで見た”緑の稲妻”が、住之江の水面を切り裂いた。電撃のピット離れで4カドを奪うと、高速差しでバックを浮上。2周1マークを先取りして一気に後続を突き放した。グランプリの6号艇からの大波乱。2014年の平和島グランプリを制したあの優勝戦での激走を、ここぞの勝負駆けでものの見事に再現してみせた。 本体に手応えを感じながらも、なかなか本来の足を引き出せずにいた今節。それでも土壇場でついに好感触を得た。優勝戦は中枠3号艇となるが、2度目のSG優勝となった今年7月のオーシャンカップを制したのも4号艇。1号艇ばかりではない。どのコースからでも何かを起こせるのが茅原の強みであり、ファンに支持される理由でもある。 強敵ぞろいの頂上決戦。舟足もこの中では出色とまでは言えない。しかし、それは10年前のグランプリ優勝戦も同じ。そして何より納得の足を得たことが大きい。2度目の黄金のヘルメット戴冠へ。迷いはない。次は”赤い稲妻”と化し、住之江の水面を切り裂いてみせる。
中日スポーツ