【ONE FF】規格外の長身ナビル・アナンが“天を突くヒザ”で激闘クラップダムをKO
ONE Friday Fights 69 2024年7月5日(金)タイ・ルンピニースタジアム 【写真】両者が並ぶととても同じ階級とは思えない身長差 ▼メインイベント バンタム級ムエタイ 3分3R ×クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ) [KO 2R 2分54秒]※右ヒザ蹴り 〇ナビル・アナン(アルジェリア/タイ) クラップダムはサウスポーのファイタータイプで、左ストレートを決め技とする元ルンピニースタジアム認定ライト級&スーパーライト級2階級制覇王者。2018年にはプロムエタイ協会ライト級王者の肩書を引っ提げて初来日。REBELSのリングで梅野源治とルンピニースタジアム認定ライト級王座決定戦を争い、4Rに強打で梅野を2度ダウンさせてのTKO勝利を収め、日本のムエタイファンにも強烈なインパクトを残した。 ONEには2019年9月から参戦し、2020年のONEバンタム級ムエタイトーナメントでは決勝へ進出したが、ロードレックに敗れた。2021年は1勝2敗、2022年は2勝3敗、2023年は4勝(3KO)1敗1無効試合。KO狙いのアグレッシブなスタイルはタイで人気を博している。前戦は4月にベテランのノンオー・ハマと対戦したが強打をテクニックで封じられ判定3-0で敗れた。戦績は77勝26敗2分1無効試合。 アナンはテコンドー、空手(いずれも黒帯)を経てムエタイを始め、パタヤの地方スタジアムで経験を積んで2017年からルンピニーとラジャダムナンのメジャースタジアムに進出。2022年5月にはWBCムエタイ世界フェザー級王座に就いた。RWS出場を経て、2023年6月にONE初出場にしてスーパーレックと対戦したが初回KOで敗れている。しかし、9月にはナックロップを右クロスでKO、12月には元ルンピニースタジアム認定ライトフライ級王者の“エルボーゾンビ”ことムアンタイを判定で破ってみせた。戦績は34勝5敗1分。また、2020年8月にはラウェイにも挑戦して勝利している。192㎝という規格外の長身で、168㎝のクラップダムとは24㎝もの差がある。 1R、サウスポーのクラップダムはローを当てようとするが、アナンは前蹴りとジャブで長い距離を取る。右ミドル、右ボディからの左ミドルを放つアナン。クラップダムはアナンの右ストレートをかわしての左ボディ、蹴り足をキャッチしての左ボディストレートを当てていく。組んだアナンが右ヒジを打ってくると、すかさず左ヒジを打ち返すクラップダム。 アナンの右ストレートをかわして突進し、一気に距離を詰めて左右フックを見舞うクラップダムだが、アナンは易々とクラップダムを首相撲に捕まえてのヒザ蹴り連打、簡単にヒザが顔に届く。近寄るクラップダムにジャブから右ローのアナンに、クラップダムは左右フックを放ちながら強引に距離を詰めて左フックと左ヒジの連打を見舞う。この猛攻に足元がフラつくアナン。チャンスと見たクラップダムは距離を詰めて左フックと左ヒジの連打だ。 巨大な敵に立ち向かうクラップダムの攻撃に合わせて、場内からは「オーイ! オーイ!」の大合唱。さらに右フックで飛び込むと左フックと左アッパーの猛攻。これにアナンは首相撲に持ち込むと、頭部にヒザを放っていく。ブレイク後、アナンはワンツーから組んでのヒザ、さらに右フックから左アッパー、そしてもう一度組んでヒザを突き上げる。フラフラするクラップダムにアナンはもう一度組みついてのヒザ、ヒジ。ボディ打ちで反撃するクラップダム。 2R,開始後すぐに飛びヒザを放ったアナンは首相撲持ち込んでのヒザ。右ボディ、右フック、右アッパー。クラップダムは左フックで打ち合いに行くが、やはり首相撲に捕まってしまう。右ヒジを連打するアナンにクラップダムはワンツーで前へ出るが、アナンは首相撲からヒジ&ヒザ。それでも前へ出て左を当てようとするクラップダムに、アナンはボディへパンチを入れてすぐに組んでのヒザ蹴り連打。 顔面前蹴りをもらったクラップダムはすぐに前へ出て左ボディストレートと左ボディ。アナンは右ヒジから組んでの左ヒザを突き上げ、ついにクラップダムをダウンさせる。立ち上がったクラップダムだが、アナンの左右ボディと首相撲からのヒザ、さらに右ヒジの連打をもらう。クラップダムも左フックを打ち返し、左右ボディで応戦。アナンは首相撲から左右のヒザを突き上げ、離れると左右アッパーの連打、そしてヒジ打ちから右ヒザを顔面に突き上げるとクラップダムは前に倒れて動けず。アナンが壮絶なKO勝ちを収めた。 奮闘したクラップダムだったが、大激闘の末に敗れた。アナンは35万バーツのボーナスと共に本戦契約も手にした。
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