風呂場で起きやすい「ヒートショック」になりやすい人の特徴はご存知ですか?【医師解説】
ヒートショックの代表的な症状
ヒートショックによって血圧の急激な変化や心臓病、脳卒中などを生じると、様々な症状が出現します。 「めまい、立ち眩み、失神」 入浴などで体が急に温まることで、血管が急に広がるため、血圧が急激に低下します。 軽い症状の場合は、湯船から出てしゃがんで、症状が落ち着けばゆっくり動かしてもらう、といった対応で対処できることもあります。 症状が強いと、失神してしまうこともあるため、注意が必要です。浴室内で失神すると、そのまま溺れてしまい、なくなってしまうことも少なくありません。 「胸痛」 急激な血圧の変化で、心臓に栄養を送っている血管(冠動脈)の血流障害が生じることで、急性心筋梗塞や狭心症などの危険な心臓疾患を発症してしまうことがあります。 典型的な心臓の血流障害の症状としては、胸の中心~左側の締め付けられる様な、押しつぶされるような強い胸痛であり、冷や汗を伴うような強い症状であり、左肩~顎や奥歯まで苦しくなる放散痛を伴う事も多いです。 数分で改善しないような強い胸痛の場合は、速やかな救急要請が必要となる、緊急性が高い状態となっている可能性が高いです。 「動悸」 心臓への負荷、血流障害などが引き金となって不整脈が出現すると、動悸症状が出現することがあります。脈が急に速くなる、脈のリズムが一定ではないなどの症状が出現している場合には、不整脈の可能性が高くなるため注意が必要です。 不整脈では動悸や胸の違和感を自覚することが多いですが、動悸以外に胸痛や強い呼吸苦症状を伴う場合には緊急性が高い可能性があるため、救急要請も検討が必要です。 強い動悸やめまい・ふらつき・失神等の症状がある際には、無理に動かず、横になって楽な姿勢を取り、速やかに救急要請をする必要があります。 「息切れ、呼吸の苦しさ(呼吸困難感)」 心臓への強い負荷がかかることで、心不全状態になることで生じることがあります。それまでなかった息苦しさ、呼吸のしにくさが出現する際には注意が必要です。 心不全は心筋梗塞や不整脈などの心疾患により引き起こされることが多いため、胸痛や動悸なども伴うこともありますが、高齢者では痛みが弱いことも多く、息切れのみが症状として出現することもあり得ます。 症状が強い、または持続する場合には緊急性が高くなりますので、救急外来の受診や救急要請を検討する必要があります。 「強い頭痛」 急激な血圧の変化で頭蓋内の血管が傷ついてしまうと、脳出血やくも膜下出血などの頭蓋内の出血を発症することがあります。その場合には強い頭痛が出現することが多く、手足が動かしにくいなどの麻痺症状を伴うこともあります。 特にくも膜下出血では、これまで感じたことがないくらい強い頭痛、バットで殴られたような強い頭痛といった表現がされるような、極めて強い頭痛を生じることが多いです。急な強い頭痛が出現した際には、速やかな受診や救急要請を検討しましょう。 「突然の麻痺症状」 急激な血圧変化で、血管内の血流障害が生じることで、脳梗塞や脳出血などの脳卒中を発症することがあります。 脳卒中では、障害を受けた脳の部位に応じた神経症状が出現するため、突然手足が動かしにくくなる、呂律が回らなくなるなどの異常な神経症状が発症することが多いです。 これらの症状が出現した際には緊急性が高くなりますので、至急受診か、救急要請が必要となります。