海外メディアは54歳タイソン復帰戦が“ドロー”に終わるも高評価「茶番ではなかった」「史上最高のエキシビション」
米CBSスポーツは、「タイソンとジョーンズのレジェンドによる土曜日のエキシビションマッチは、リングで何が起こるかを予想するのは不可能だった。合わせて105歳という年齢や、ルールの不確かさが予想をさらに難しくしていた。だが彼らはWBCが指名したジャッジの採点で引き分けとなる2分8ラウンドの間、できる限りハードに戦った」と絶賛した。 試合内容については、「どちらの男も適切な量のパンチを打ち込むことができず、荒れるぎりぎりのところだった。レフェリーのレイ・コロナ氏によってほどかれるクリンチになる前に両者ともに1度にパンチ2発以上を放つようには見えなかった。ジョーンズはノールックジャブや足の動きといった往年のスタイルをちらりと見せた一方で、タイソンは、時折彼の代名詞である左フックを少し離れた距離から決めた」とレポートした。 米フォックススポーツは「完全なる狂気のタイソンが戦って見せるが、復帰戦はどういうわけか引き分けに終わる」との見出しを取り、「タイソンとジョーンズは存在感を見せた。ただ我々が見慣れたものとはいかなかった」と伝えた。 記事は、「54歳のタイソンは優勢に見られたにもかかわらず、快く引き分けを受け入れた」と大人の対応を見せたタイソンに注目。 「ノックアウトパンチもなかったが、迫力に欠けるスパーリングセッションとなる恐れは、元ヘビー級王者のタイソンがスリルを大衆に楽しませようと序盤に前に出たことでなくなった。我々は、何を見ることになるか分からなかったが、両者の顎は持ちこたえた。印象的だったのは、ラウンド後半までまだ試合があったことだった」と、1ラウンド2分の特別ルールだったとはいえ、準備を積んだ2人が、フルラウンドを戦い切ったことを称えた。 英国のBBCは「タイソンとジョーンズが『エキシビションマッチ』で人を惹きつけるドロー」という見出しを取り、「エンターテインメント性を十分に引き出したことで、この2人が金儲けのための茶番をつくり上げるのではないかの不安は消えた」と称えた。 同記事はタイソンの試合後の「さらに踏み込んでもっとやり続ける」とのコメントを紹介した上で、ヘビー級の“レジェンド”ジョージ・フォアマンの『これまで見た中で最高のエキシビションだった』とのツイートや、元2階級制覇王者のデビット・ヘイ氏の「試合は好戦的だった」とのコメント、元WBC世界スーパーミドル級王者のリッチー・ウッドホールの「2人のどのような姿、体形でも面目を失わなかった」とのコメントを掲載した。 一方、厳しい見解を伝えたのが、ボクシング専門サイトのBoxingnews24.comだ。 「タイソンとジョーンズは土曜日夜に行われた50ドル(約5200円)のペイパービューによるエキシビションマッチで失望の8ラウンド引き分けを戦った」と報じた。 「審判たちはペイパービューで今後もエキシビションマッチを売り続けたいタイソンにとって良くない引き分け試合とした」と紹介した。公式採点はなかったが、WBCが用意した特別ジャッジの元WBC女子世界スーパーウェルター級王者のクリスティ・マーティンは「79-73」でタイソン、元WBC、IBF世界ライトヘビー級王者のチャド・ドーソンは「76-76」のドロー、そして前出のビニー・パジェンサは「80-76」でジョーンズに付けてドローとなった。