お祭りや誕生日会などのサプライズが苦手な「発達障害」の子どもたち。特別支援教育専門家「なのでイベントは<可視化>すべきで…」
◆ちゃんと謝れば、トラブルの悪化を防げる 発達障害の子どもの中には、衝動性が高い子や、うっかり相手に失礼なことを言ってしまう子がいます。 このような子に、「衝動的に動いちゃダメ!」と教えることも大切ですが、脳の特性ですので、ゼロにすることは難しいものです。 そこで、「今のウソ!」「今、話盛っちゃった!」と、行動の後に謝ったり、訂正したりするフォロースキルを教えておくことも、トラブル予防には効果的です。 特に、フォローの仕方がわからないと、「謝らない/謝れない」という態度を取って、余計に相手と揉めてしまうことがあります。 本人に悪気がないのも事実ですので、すぐに謝ることで、その後のトラブルの悪化を防ぐことができます。 もちろん、謝ることで自己肯定感が低下する子どももいますので、「うっかりミスは誰にでもあるんだよ」と深刻になりすぎないよう伝えることも大切でしょう。
◆時間は時計とセットで理解が進む 自立には時間の感覚を身につけることが大事です。しかし、時間とはそもそも時刻と時刻の間を指すもの。よって、時刻を示す道具が、まず必要になります。 子どもにとって時間を意識しやすい、代表的な道具は腕時計です。そこで、まずは、腕時計を日頃から装着して、自分の行動にどれだけ時間がかかるのかを、子どもが知ることからがスタートです。 登校時間・友達と何時間遊んだか、映画1本は何分か、駅まで自転車で何分か……。 このように、日頃の行動を腕時計で確認して、かかった時間を知っていくことで、「学校は8時30分に始まる。家から学校までは22分だから、8時に出れば間に合うな」というように、計画的に考えることができるようになります。 また、好きなキャラの腕時計や、かっこいい、かわいい腕時計で、子どもと一緒に選ぶことで、より何度も見るようになり時間を意識しやすくなります。
◆サプライズに動じないために 発達障害の子どもは予想外のイベントが苦手です。自分の中のスケジュールに予想外のことが起きると、パニックになる子もいます。 そのため、「今日は、田中くんのお誕生日です!」「来週は、親戚のおじさんが来ます!」「今週、お祭りだって!といったイベントでストレスを溜めてしまう子は多くいます。 それは、もともと、「朝起きて、園や学校に行って過ごし、帰宅して放課後を過ごして、夜眠る」という日の中でルーティンを決めているためでもあります。 しかし、実は日本では(あるいは世界中どこでも)、毎週、毎月、何かしらのイベントがあります。 そこで、カレンダーに1年間の予定を書き込んでみましょう。そして改めて1年間を通して見ると、春夏秋冬があり、季節のイベントがあり、祝日は15日ほどあり、4月は入学式、3月は修了式があり、夏休み、冬休み、春休みがあり。
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