大坂なおみが棄権から急転、全米OP”前哨戦”出場を表明…不当人種問題への抗議行動に世界中から賛同の声「君は素晴らしい」
テニスの大坂なおみ(22、日清食品)が急転、棄権の意思を表明していた全米オープンの”前哨戦”となるウエスタン&サザンオープンの準決勝(28日、日本時間29日)に出場することになった。 ESPNなど複数の海外メディアが大坂の「WTA(女子テニス協会)とUSTA(全米テニス協会)と協議の結果、金曜日の準決勝をプレーすることに同意した。彼らは、大会を金曜に延期することで、この抗議に多くの注目を集めてくれた。感謝したい」という声明を報じたもの。 大坂は、ウィスコンシン州で起きた警察官による黒人男性銃撃事件に抗議の意思を示すため、前日、準決勝に進んでいたウエスタン&サザンオープンを棄権することを発表していた。だが、その大坂の行動に賛同の意思を示したWTA、USTA、ATPが27日に予定されていた同大会を1日、中断することを決定。準決勝は28日に延期されることなり、大坂サイドに出場を求めて協議していた。大坂は大会主催者が1日試合を中断し、抗議行動に賛同の意思を示してくれたことを評価。試合に出場する準備はできており、対戦相手の立場も考慮して急転、出場を決定した。大坂は準決勝でエリーズ・メルテンス(ベルギー)と対戦する。 大坂が一度は棄権の意思を伝えた行動は、世界中で大きな反響を呼んでいた。 オーストラリアのニュースサイトnews.com.auは、「日本の大坂なおみが米国で武器を持たない黒人男性を警察官が銃撃したことに抗議するため、ニューヨークで行われているウエスタン&サザンオープンの準決勝を棄権したことはテニス界に衝撃を与え、他のスポーツ界もすぐにそれに追随した」と報道。世界各地のテニス関係者からの反響を紹介した。 10代のスーパースター、ココ・ガウフは、「ジェイコブ・ブレークさんに正義を」とツイート。カナダのスター選手、ミロス・ラオニッチは、「誰もが認める中断、これが変化を呼ぶものだと思う。本当の変化をもたらすためにアスリートが一致団結しなければならない」と呼応した。 また世界37位のスローン・スティーブンスは「もっと大きな声で。誇りに思います」と綴り、セリーナ・ウィリアムズのコーチであるパトリック・ムラトグルー氏は「(大坂の行動は)素晴らしいこと」とツイートし、米国のスター選手であるクリストファー・ユーバンクスは「大坂なおみ、君は本当に素晴らしい!」と称賛のツイートをしている。