「オワコン」と思いきや、実際はインバウンドで大盛況! あの「カタログ通販の会社」がホテル事業で大きく成長していた
1.お客様満足度の向上 「気持ちよかった」の声を追求する 通信販売でのお客様満足度の向上とは、いかにお客様に喜んでもらう商品を用意するかにある。これはホテルで言えば、いかに「気持ちよかった」とお客様を喜ばせ、リピーターを増やせるかに当たる。 両者に共通するのは、「顧客目線」「お客様の声を聴く姿勢」だ。「お客様の、特にマジョリティの意見は生かしていかなければ取り残されます」と安野社長はきっぱりと言う。
だから、顧客の声を基に、接客や設えにも気を配る。接客で最も重視しているのは礼儀礼節だ。次いで、「従業員が楽しく仕事をしている姿、雰囲気をお客様に見せる」ことだという。「どんな言葉を使うか」といった形式よりも、最もそれがダイレクトに伝わると説明する。 他方、設えについては、積極的に投資をしてリノベーションすることを心がけている。 M&Aで取得した旅館や、年数を経たホテルは、必要に応じてロビー、サウナ、カラオケルーム、客室、売店などを「気持ちのいい場所」として生まれ変わらせることを意識している。加えて、他チェーン同様、専用サイトや会員制度も取り入れている。
2.従業員満足度の向上 「主役意識」で従業員が成長する ベルーナの従業員満足度とは、「社員やアルバイトスタッフが、いかに楽しく、気持ちよく働けているか」ということだ。そのためには、「なるべく従業員を主役にして、モチベーションをあげることが不可欠」だと安野社長は強調する。 事業が「人ごと」にならない「主役意識」「当事者意識」をもたせるために、通販、ホテルどちらにも、日々の「改善、改良、改革」と、「気づき→提案→活かす→反省」のサイクルを取り入れている。従業員の誰もが気づいたことを活かせる、実践できる環境を目指しているのだ。
具体的には、月に1~2回、グループ提案、個人提案の場が設けられており、新入社員であっても「経験していないからこそ気づくこと」を提案して活かせるという。 加えて、待遇の改善にも力を注いでいる。給料は顕著な例で、2023年に7%、2024年に5%、合計12%も引き上げられた。 3.会社満足度の向上 「全員参加」で改善し、収益力を高める ベルーナの会社満足度とはすなわち、「いかに、しっかり稼ぐのか」ということだ。「それを実現するにはどうしたらいいかを考え、改善、改良、改革を続ける文化を社内にどのように作るのか」という意識が要となると安野社長。事業の根幹とも言える部分だが、そこにも「社員全員で」取り組んでいるという。