今回の内閣は「政策断行内閣」岸田首相会見8月10日(全文1)
岸田文雄首相は10日、官邸で記者会見を行った。 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「岸田首相が会見 第二次改造内閣が発足(2022年8月10日)」に対応しております。 【動画】岸田首相が会見 第二次改造内閣が発足(2022年8月10日) ◇ ◇
有事の内閣を速やかに整えるため、内閣改造を断行
司会:ただ今より岸田内閣総理大臣の記者会見を行います。初めに岸田総理から発言がございます。それでは岸田総理、よろしくお願いいたします。 岸田:はい。政策断行により、数十年に一度ともいわれる難局を突破するため、経験と実力に富んだ新たな自民党、公明党の連立政権を発足させました。新型コロナ、ウクライナ危機、台湾を巡る米中関係の緊張、そして国際的な物価高、引き続き、わが国の内外で歴史を画するようなさまざまな課題が生じています。先の参議院選挙において国民の皆さんからいただいた岸田内閣への信任を一刻も早く形にし、皆さまの期待に応える、有事の内閣を速やかに整えていくため、内閣改造を断行いたしました。今後、8月末の概算要求を皮切りに、年末の予算編成、税制改正、そして、来年の通常国会への法案提出等、お約束してきた政策を本格的な実行に移す段階となります。また、国際情勢が緊迫する中で、ポスト冷戦期の次の時代の新しい国際秩序をつくり上げ、わが国の平和と安全を守るために全力を尽くしてまいります。 今回の内閣改造では、骨格を維持しながら有事に対応する政策断行内閣として、山積する課題に対し経験と実力を兼ね備えた閣僚を起用することといたしました。まず、政権の骨格として、松野博一官房長官、林芳正外務大臣、鈴木俊一財務大臣、斉藤鉄夫国交大臣、山際大志郎経済再生担当大臣には留任いただきます。その上で重点的に5つのことに取り組んでまいります。
最重要課題の1つが防衛力の抜本強化
第1に、この国の安全と安心を守るための体制を強化いたします。年末に向けた最重要課題の1つが防衛力の抜本強化です。必要となる防衛力の内容の検討、そのための予算規模の把握、財源の確保を、一体的かつ強力に進めていきます。そのため、防衛政務次官、防衛庁副長官、そして防衛大臣を歴任し、さらに自民党国防部会長や衆議院安全保障委員長も経験し、まさにわが国の安全保障、防衛政策を熟知する浜田靖一氏に防衛大臣への再登板をお願いし、強いリーダーシップを発揮していただきます。 第2に、経済と安全保障が一体化する中で、経済安全保障推進法を実行に移し、機微技術の流出防止やサプライチェーンの強靱化等を急ぐ必要があります。そこで、これまで自民党の政調会長として経済安全保障本部を牽引し、経済安全保障政策を推進してきた高市早苗氏を大臣に起用し、関係省庁や産業界等との調整に当たっていただきます。 第3に、岸田内閣の最重要課題である新しい資本主義の実現を通じた経済再生です。人への投資、スタートアップの育成、グリーントランスフォーメーション、デジタルトランスフォーメーションなどの実現に向けた体制を強化いたします。まず、新しい資本主義の全体調整とスタートアップ担当大臣については、実行計画の取りまとめを担当した山際大臣に引き続き担当いただきます。特に人への投資は新しい資本主義実現に向けた肝です。過去20年間で2番目に高いプラス2.07%となった春闘、4年ぶりの増加となったこの夏のボーナス、そして過去最大となった最低賃金の引上げに続き、さらなる賃上げに向けた環境整備や職業訓練の強化など、人への投資を抜本的に強化していきます。 その上で、新しい資本主義における重要な投資分野であるデジタルトランスフォーメーションを強力に推進するため、河野太郎氏を起用することとしました。発足から間もなく1年となるデジタル庁の業務をさらに活性化し、デジタル改革を強力に進め、諸外国から後れを取っているわが国のDXを一気に加速するため、持ち前の実行力、突破力で進めてもらいたいと思います。 デジタルとともに重要なグリーントランスフォーメーション担当大臣、そして経済産業大臣については、経済再生担当大臣などを歴任しエネルギーや経済産業政策に深い専門性を持つ西村康稔氏を起用いたします。グリーントランスフォーメーションの前提となる安価で安定的なエネルギー供給の確保についても、冬の電力需給逼迫への対応や原子力の活用も含め、しっかり検討を進めてもらいます。