今回の内閣は「政策断行内閣」岸田首相会見8月10日(全文1)
コロナ対策の新たなフェーズへの移行と対応の強化
第4に、コロナ対策の新たなフェーズへの移行と対応の強化です。コロナ対策については現在、第7波の荒波の中から少しずつ感染者数が減少に転ずる地域が出てきています。国民の皆さんのご協力、医療・福祉関係者のご努力に心から御礼を申し上げます。今後、新型コロナの感染症法上の取り扱いをどうするかをはじめ、ウィズコロナに向けた新たな段階への移行を時機を逸することなく進めなければなりません。併せて次の感染症危機に備えて、感染症危機管理庁、仮称でありますが、こうした組織の創設といった新たな挑戦を進めてもらう必要もあります。山際大臣に引き続きコロナ対策をお願いするとともに、厚生労働大臣には官房長官や厚労大臣を歴任してきた加藤勝信氏に再登板をお願いし、医療・保健体制の対応に万全を期してまいります。 第5に、こども政策、少子化対策の強化です。来年からスタートする、こども家庭庁の設立準備を着実に進めるとともに、こども政策、そして少子化対策を抜本的に強化するため、若いフレッシュな目線で対応できるよう、現在、党の青年局長を務める小倉將信氏を起用いたします。 こうした重点課題を内閣一体となって進めていくためにも、各分野における安定した行政運営が不可欠です。とりわけ国家公安委員長兼防災担当大臣については、これから災害の多い季節を迎える中で速やかに責任ある体制を整備しなければなりません。また、国家公安委員長として、安倍元総理殺害事件をしっかりと検証し、警備体制を立て直す必要があります。このため、これまで復興副大臣や衆議院国土交通委員長などを歴任し、また、阪神・淡路大震災において兵庫県庁の現場で陣頭指揮を執って以来、一貫して災害対応力の向上に取り組んできた谷公一氏にかじ取りをお願いすることにいたしました。
私個人は、知りうる限り当該団体と関係がない
総務大臣には、総理補佐官や総務副大臣などを歴任してきた寺田稔氏を起用し、電気通信事業の立て直し、携帯電話料金の着実な引下げ、5G、光ファイバーなどのデジタルインフラの整備、マイナンバーカードの普及の加速化等を進めていただきます。 法務大臣には、二度にわたり法務副大臣を歴任し、衆議院法務委員長としても豊富な法務行政経験を持つ葉梨康弘氏を起用いたします。 文科大臣については、文科副大臣や衆議院文科委員長を歴任してきた永岡桂子氏を起用し、教育・科学技術政策を推進いただきます。 農林水産大臣には、ロシアのウクライナ侵略を受けて食料価格の高騰や食料安全保障が大きな課題となっている中で、農水政務官、自民党の農林部会長を歴任した農林水産政策の専門家である野村哲郎氏にお願いすることといたしました。 環境大臣には、官房副長官や国交副大臣などを歴任し、自民党「2050年カーボンニュートラル実現推進本部」を事務局長として推進してきた西村明宏氏を起用し、2050年カーボンニュートラルに向けた社会づくりを進めていただきます。 東日本大震災からの復興は引き続き岸田内閣の重要課題です。復興大臣には、宮城県出身で復興副大臣や衆議院東日本大震災復興特別委員長を歴任し復興に尽力してきた秋葉賢也氏を起用いたします。 地方創生大臣兼沖縄・北方大臣には、官房副長官や財務副大臣などを歴任してきた岡田直樹氏を起用し、「強い沖縄経済」の実現、北方対策の推進とともに、わが国のイノベーション力の世界への発信、デジタル田園都市国家構想をはじめ、地方創生に全力を挙げていただきます。 以上、閣僚人事の考え方について申し上げましたが、併せて、いわゆる旧統一教会に関連する問題について申し上げます。まず、私個人は、知りうる限り、当該団体とは関係がないということを申し上げます。その上で、個々の政治家は国民の皆さんからできるだけ幅広い支援をいただくため、政治活動の一環としてさまざまな方々と交流をしております。信教の自由については憲法上、保障がなされているものでもあります。しかし社会的に問題が指摘されている団体との関係については、国民に疑念を持たれるようなことがないよう十分に注意しなければなりません。 国民の皆さんの疑念を払拭するため、今回の組閣に当たり、私から閣僚に対しては、政治家としての責任において、それぞれ当該団体との関係を点検し、その結果を踏まえて厳正に見直すことを厳命し、それを了解した者のみを任命いたしました。