自宅療養した医師が実感する新型コロナ「有効な家庭内対策」 - ふじみの救急病院 鹿野晃院長
家族の仲が悪くなると免疫力に影響
会話は電話かメール。食事は部屋の前に置いてもらい家族と別にとるなど工夫することによって、家庭内の感染拡大は防げたそうです。鹿野院長は自宅療養について、長期間一人で部屋にこもる生活が続くため、エコノミークラス症候群を防ぐ運動や、気持ちが落ち込まないように気晴らしが必要だと言います。 --ご家族の負担も大きかったのでは? 鹿野院長: 家族も濃厚接触者ということで2週間の自宅療養に。ストレスのたまる生活に入って、いろいろあれ持ってきて、これ持ってきてと頼むのもだんだん悪いなと思うようになりました。家族の仲が悪くなると免疫力にかなり影響します。ウイルス感染というのは免疫力が要ですので、お互い免疫力を下げないように気をつけました。 そのうち宅配など、いろいろ使えることを学んで、食事の宅配や飲み物を含めコンビニで売ってるようなものを全部宅配してくれるようなサービスも見つけました。そういったものを使って玄関前に置き配してもらい、体調のいいときに取りにいくようにしてましたね。 トイレに関しても、私が入った後には妻が消毒をしてくれ、お風呂も6時間ずらして入るようにしていたそうです。6時間が適切かどうか分かりませんけども、少なくとも時間をずらすことには気を使っていました。着替えもビニール袋が用意してあって、私が着たものをそこに入れることで洗濯を分けてました。ただ、私の服を触った後に消毒すれば良いし、2回に分けて洗濯するという手間を増やす必要はなかったかと思います。普通、洗剤でコロナは死にますので、省けるところは省いても良かったのかなと思います。 --精神的なつらさはありましたか? 鹿野院長: ずっとふさぎ込んだり、ネガティブな思考状態になっても免疫力は下がります。調子がいいときには、最近は動画サービスなども充実してますので、好きなものを見たりして、なるべく明るくポジティブな精神状態になるように気をつけていました。 --その他に自宅療養で気をつけたことは? あまり固形物を食べられなくなり、水分ぐらいしか取れなくなって状態が悪くなってきたので、スポーツドリンクなどを宅配で頼んで、少なくとも脱水症状にならないようにしていました。また、血栓ができやすくなるという合併症がコロナにはあるので、脳や心臓の血管が詰まらないように、足の血管も詰まらないように、調子のいいときにはベッドの上で足の運動をしてエコノミークラス症候群の予防に努めました。