亀田興毅氏が和毅のRIZIN参戦に“待った”をかけてボクシングでの世界タイトル再奪取プランを薦めたワケ
関西の複数のジムから移籍の誘いはあったが、うまく進まず復帰のメドが立たなかった。年末には総合格闘技イベント「RIZIN」の参戦話が浮上した。元K-1戦士の皇治とのボクシングとキックルールの変則マッチ。話は、そこまで具体化していたが“待った”をかけたのが興毅氏だった。 「RIZINにいったら、もう二度とボクシングの世界に戻れなくなるよ。オレは引退した後にあくまでもテレビショーのタレントとして那須川天心との対戦企画や(興毅を倒したら)1000万円企画なんかをやったけれど、おまえは現役。世界を目指せるのにもったいない。格闘技をやりたいなら引退してからいくらでもできる。メイウェザーも辞めてからエキシビションをやった。最終的には、おまえが決めることやけど、オレは、もう一度、ボクシングで世界を目指すべきやと思う」 興毅氏は、「オレが教えるものは何もない」と言うほど和毅のボクサーとしての力を評価している。だからこそ反対した。興毅氏が、そう説得すると、和毅は、「わかった。もう一度、ボクシングで頂点に立つ」と、RIZIN参戦を撤回。その後、興毅氏の大阪のジム開設話が急速に進み、和毅の道も定まった。 興毅氏は、和毅の世界再奪取プランをこう描く。 「まず大阪で1試合。2試合目を夏にやって世界ランキングに復帰し11月か12月に世界戦をやれれば。年内か、年を跨ぐか、早くなるか。タイミング次第」 ただ新型コロナの入国規制で外国人選手招聘のメドは立たない。そうであれば再起戦はともかく2戦目には、日本人の世界ランカーとの好カードが見たいところだ。 スーパーバンタム級では、OPBF東洋太平洋王者の勅使河原弘晶(三迫)がIBF同級3位、WBC同級4位、元IBF世界同級王者の小国以載(角海老宝石)もWBA同級4位につけている。赤穂亮(横浜光)もWBO同級11位だ。小国の怪我で中止になったが、この4月には元OPBF東洋太平洋同級王者の和気慎吾(FLARE 山上)とのスーパーバンタム級屈指の好カードが一度は発表されていた。 ――世界戦の前にまず国内最強戦をやる気持ちは? 「自信はめちゃくちゃある。今、世界王者になれる実力があると思う。日本人でも誰でも。決められた相手とやるしかない」 和毅がこう答えれば、興毅氏も「プロなんでファンの喜ぶカードを。どこまで興行メリットがあるのかを考えて組みたい」とコメントした。 興毅氏はテレビ中継と手売りのチケットに依存する旧来型のボクシングの興行スタイルからの脱却にチャレンジしたいと考えている。17(イチナナ)というライブ配信アプリを駆使してスタジオマッチのような形も実験的に模索できないかとの構想もある。