五輪決勝Tで惨敗…なぜ”元世界一”なでしこジャパンはここまで弱くなったのか…再建に必要なのは監督解任とFW発掘と育成
「今大会も岩渕(真奈=アーセナル)頼みのところがある。いい試合をしても勝たなければ意味がないし、決定力が高いストライカーが出て来ないとなかなか勝てない。上手い選手を万能的な『10番』にするのではなく、ストライカーとしての可能性を持っているのならば、ゴール前での動き方やシュート技術だけでなく、ゴールの匂いを嗅ぎつける感性を養わせるトレーニングを、若いころから徹底的に反復させなければいけない」 今大会前に初めて「10番」を託された岩渕は、涙をこらえながら前を向いた。 「内容どうこうよりも結果がすべての世界なので。女子サッカーが発展していく上で、やはり代表は強くなきゃいけない。この悔しさを個々がしっかりと次へつなげていきたい」 9月からは日本女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』が産声をあげる。10年前の世界一を知るヨーロッパ組の28歳の岩渕、そして30歳の熊谷が一敗地にまみれたなでしこをけん引していく決意を新たにしたなかで、日本サッカー界が一丸となって、ストライカーを含めた女子サッカーの選手層そのものを厚くしていく作業が急務になる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)