42歳で乳がん発覚、悩み抜いて抗がん剤治療を選択したワケ。医師に「やっぱり怖い」と伝えると
2016年、42歳のクリスマスイブに突如乳がん宣告。(ステージⅡB)。晴天の霹靂だった「がん宣告」から約1年間、泣いたり笑ったり怒涛の日々を駆け抜けた、私のがん治療ドキュメンタリーを連載でお届けしています。 【画像】抗がん剤治療スタート初日。めちゃくちゃ怖い… 今回は、乳房摘出手術が終わり無事退院し、通院をしながらの抗がん剤治療がスタートする場面から。 ※医師や看護師の発言は筆者の病状等を踏まえてのものであり、すべての患者さんに当てはまるものではありません。また、薬の副作用には個人差があります。
6か月にわたる抗がん剤治療が始まる
いざ退院したものの、脇の下に溜まるリンパ液を抜くために通院すること約10日。その合間に大好きなフラメンコレッスンに復帰し、日常生活にも徐々に慣れて行きました。 次に控えているのは、6か月にわたる抗がん剤治療です。 抗がん剤治療を受けるかどうかに関しては巷で賛否両論ありますが、わたしは医師の説明を納得するまで聞き、自分でもいろいろ調べて標準治療である抗がん剤治療を受けることにしました。 わたしが今回受ける抗がん剤治療の目的は、再発の確率を下げること。抗がん剤を使用するタイミングによって、その効果や目的も異なってきます。 がんが大きすぎて手術できず、小さくするための手段として使う抗がん剤は、がんに効いているかがハッキリわかりますが、わたしのように手術で患部を取ってしまってからでは、実際に効果があるのか検証のしようがありません。 ただし私の場合はリンパ節にも転移があったため、小さながん細胞がリンパ節を通じて全身に散らばっていると想像されるとのこと。
抗がん剤は再発率をゼロにするわけではない
初発のがんは、徹底的に叩いておくほうが再発防止につながるという考え方から、抗がん剤を使用するそうです。雑草に例えると雑草に申し訳ないですが、たとえば全身に除草剤を撒くイメージで、がん細胞を根絶やしにする作戦。 除草剤を撒いてもどこからかメリメリと生えてくる雑草もあるけれど、除草剤を撒いておいたほうがその確率が減るだろう、という話。主治医の先生から話を聞いて、そんなふうにイメージしました。 ただし、抗がん剤で再発率がゼロでになるわけではありません。その再発率を多いとみるか少ないとみるかはその人次第。わたしはそこの判断がつかなかったので、先生に意見を聞きました。 医学の世界では、過去の膨大な臨床試験や治験の結果から「抗がん剤はがんに有効である」という見解になるそう。 先生の意見は、わたしのがんのタイプがホルモン治療など他の治療法が効かないこと、まだ40代で体力的に抗がん剤に耐えられるであろうこと、再発の可能性をできるだけ下げておきたいことから「強くすすめる」とのこと。 半年にも及ぶ治療、強い薬を体に入れる恐怖、副作用の不安などを考えると躊躇はしますが、信頼する執刀医の先生がこれだけ強くすすめるのなら、わたしもそれに従おうと決めました。もちろん、抗がん剤を拒否しても強制されることはありません。 この後は、乳腺外科を離れて、抗がん剤を専門に扱う腫瘍内科にお世話になるそうです。