高血圧・高脂質・高血糖が引き起こすリスク 医師がすすめる食事の“置き換え”「うどんはそばに」「肉は鶏肉を」「砂糖よりはちみつ」
血管の不調は“3高”を健康診断でチェック
健康に大きく関わる血管だが、不調に気づきにくいという特徴がある。血管が硬くなったり、不要なものがこびりついたりしても、見ることも知覚することもできない。手足が痺れる、胸が苦しい、ろれつが回らないなどの自覚症状が出てきたときには、すでに動脈硬化が進んでいる状態だ。 そのため、自覚症状が出る前から血管の健康に意識を向けることが必要。まずは健康診断で数値を目の当たりにして、意識を向けることが大切だと橋本さんは語る。 「高血圧・高脂質・高血糖は血管をボロボロにする“3高”。この3つを気づかうことで、健康な血管を守ることができます」
高血圧・高脂質・高血糖が血管に悪影響をもたらす理由
高血圧の主な原因は、塩分のとりすぎ。塩に含まれるナトリウムは、水分を引き寄せる効果があり、血中のナトリウムが増えすぎると、細胞にある水をどんどん引き寄せてしまい、血管の水分量が増えて、血管がパンパンに膨らんでしまう。そして大量の血液が荒々しく血管に圧力をかけ、血管が傷つきやすくなるのだ。また、体重の増加やストレスによっても、血圧が高くなり続ける危険性がある。 高脂質は、余分な脂によって引き起こされるもの。脂はLDLコレステロールやHDLコレステロールという形で血管内を移動しているが、LDLコレステロールが血管にくっつくと、マクロファージという細胞が異物を認識し、多く集まって血管がぐちゃぐちゃとした状態になり、炎症を引き起こす。さらに炎症した部分を硬い細胞でふさぐことで、血管に硬いコブのようなものができ、何個もこのコブができてしまうと、血流が悪くなって運搬力が下がり、最終的に動脈硬化を起こしてしまうのだ。 高血糖は、血糖値がずっと高い状態のことで、糖を運ぶ役割をする細胞に合図を出すインスリンの分泌量が低下し、インスリンを出す膵臓自体も疲労してしまう状態のこと。インスリンがずっと多い状態でも、各細胞の反応も悪くなり、血液中に糖が残ってしまう。糖が血管の壁にくっつき、糖化が起こると、LDLコレステロールと同様に血管に炎症が起きてしまい、動脈硬化を促進する原因となる。