<リオ五輪速報>男子サッカー、ブラジルがPK戦を制し悲願の初金メダル
リオ五輪の男子サッカー決勝戦が20日(日本時間21日)、現地のマラカナンで行われ、13度目の出場となった地元ブラジルとドイツの試合は、1-1のスコアのまま延長戦でも決着がつかずにPK戦へもつれこんだ。5-4で、最後はOA枠で参加した至宝、ネイマールが決める劇的な初の金メダル。ブラジル国民を熱狂させるリオ五輪のクライマックスだった。 聖地、マラカナンがカナリアイエローに染まる。キックオフを待ちきれないサポーターの野太い声がスタジアムに響いた。誰もが口にする。「ミネイロンの惨劇を忘れるな!」。地元開催となった2年前のワールドカップ。優勝への期待と宿命を背負ったブラジルだったが、準決勝でドイツに、まさかの1-7の大敗。それは、1950年のW杯でウルグアイに敗れた「マラカナンの悲劇」になぞらえ、「ミネイロンの惨劇」と呼ばれた。23歳以下で結成されている五輪代表チームは、2年前のメンバーとは違うが、サポーターは、奇しくも同カードとなったドイツ相手の決勝戦に、リベンジへの思いを重ねたのである。しかも、W杯は5度優勝のブラジルも、過去12度出場している五輪では、銀メダルが3つ、銅メダルが2つで金メダルがない。 まずドイツがブラジルを驚かせる。10分、ブラントのミドルシュートがクロスバーに当たったのだ。 ブラジルも、13分、ガブリエル・バルボサからのスルーパスにネイマールが抜け出しゴール前に迫るが3人に囲まれ、シュートまで運ぶことができない。徹底マークでボールを持たせてくれない。ならば、と、今度は、ネイマールが、中で基点となり左に切れ込んだドーグラスへパス。受けたドーグラスが中央へクロス、入ってきたルアンが右足をあわせてシュートを放つが芯に当たらなかった。 ブラジルの攻撃が続く。中盤の争い制したブラジルは、ドリブルで果敢に切り裂きながら、次から次へとチャンスを演出していく。 先制点は、キャプテンマークを腕に巻いたネイマールだった。 27分。絶好の位置で得たフリーキック。直接、右足でゴールを狙ったネイマールのそれは、ドイツの壁を避けるように小さなカーブを描きながらゴールの左上隅にピンポイントで吸い込まれた。今大会4点目となる芸術的なゴールに場内は興奮の坩堝。 1点を追うことになったドイツは、波状攻撃を仕掛けた。今大会、無失点でここまできたブラジルは人数をかけて必死のディフェンス。34分には、フリーキックのチャンスに、マークを抜けてきたスベン・ベンダーがヘッドをドンピシャで合わせたが、またもやクロスバーに嫌われた。