友達の数は多い方がいいの? 明治大教授が語る「人間関係」で本当に大事なこと
人生において、友情はかけがえのないものです。しかし、進学先の違いやクラス替えといった環境の変化によって、友達づき合いは常に変化していきます。新しい出会いと別れを経験しながら、自分にとっての「友だちづきあい」の形を見つけていくことが大切です。 【マンガ】困難に強い子を育てる親の言葉 アドラー心理学の「勇気づけ」とは? この記事では、明治大学法学部教授・堀田秀吾さんによる書籍『12歳から始める心が折れない技術』から「友だちづきあい」で大切にしたいことについてのお話を紹介します。 ※本稿は、堀田秀吾著『12歳から始める心が折れない技術』(秀和システム)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
友だちづき合いは「変わっていくもの」
「ずっとあの子と友だちでいたい」 おたがいに気持ちよくすごせる人と、ずっと一緒にいたいと思うのは当然のことです。新しく出会った友だちと仲よくなって、信頼をきずいていくのは、とても時間と努力が必要で、めんどうくさいことです。 すでにできあがっている関係でしたら、それがあることが当然という意識になっていきますから、失うことは、つらいことにもなります。 とはいえ、友だちづき合いというのは、つねに変わっていくものです。引っ越しや進学、参加しているチームや団体など、自分の置かれている環境でどんどん変わっていきます。 たとえば、同じ環境にあっても、そのときどきの価値観や好みや興味などの変化で、つき合う友だちはどんどん変わっていきます。 友だちというのは、人生のステージでコロコロ変わっていくものです。もちろん、おさないころからずっとつき合っていく友だちもいますが、人生のそのときどきでいろいろな人に出会い、いろいろなつき合いをしていきます。 今まで仲よかった友だちが、自分以外の子と、自分との関係以上に仲よくなっていくことも当然あります。そんな友だちの姿を見て、さびしくなったり、悲しくなったりすることもあるでしょう。 そういった喪失感(なくなるさびしさ)を覚えるのは仕方のないことです。もし、人が喪失感を覚えなくなったら、人間関係やモノを大切にしなくなります。人間のような生き物にとって、喪失感を覚えることは、生きるために非常に大事な仕組みなのです。