友達の数は多い方がいいの? 明治大教授が語る「人間関係」で本当に大事なこと
大切なのは、友だちとうまくいかなくなっても、「まあ、そういうものだよな」と軽く受け流すことです。理想を追ってはいけません。ピンチはチャンスです。 自分も、今の関係にこだわったりせず、どんどん新しい友だちを作っていけばいいのです。その仲よしだった友人より仲よくできる友人に出会えるかもしれません。未来の可能性は無限です。どんな未来になるのか、自分で予測することなんてできません。そして、自分でいくらでも広げることもできます。 もちろん、そうしていく中で、傷つくこともあるかもしれません。でも、筋肉もわざと無理をして動かすことで発達していきます。 人間も同じです。「若いうちの苦労は金をはらってでもしろ」などということばがありますが、人は苦労をした分だけ強く、やさしくなれるのです。人生でいろいろな経験をした人のほうが、幸福度が高くなるということも研究でしめされています。 また、人間は、相手がだれかによって、性格がコロコロ変わっていきます。親の前、先生の前、好きな友人の前、きらいな友人の前で、それぞれちがう自分があらわれていませんか? 人間の性格は、「自分×○○」のかけ算だと言われます。そのときの相手、状況、感情によって、性格はコロコロ変わっていくのです。 相手にきらわれたくなくて気を使いすぎて、つかれちゃったりすることもあるでしょう。逆に、とくに意識せず、本来の自分らしくいられる相手もいると思います。いろいろな友だちと関わって、いろいろな自分を見つけてみてください。
友だちの多い・少ないより、自分らしくつき合えるか
友だちは多いほうがいいのでしょうか? それとも、少ないほうがいいのでしょうか? 一見、「そりゃ多いほうがいいでしょ!」と思ったかもしれませんが、じつはつねに意見が分かれる議論です。この問題は、結局、その人の性格や行動、あるいは生活スタイルによって、どちらがいいかは変わるのです。 友だちの数に関する研究はたくさんあるのですが、社交的な人は友だちが多く、助けも借りやすいので、目標を実現しやすいということがわかっています。 人が、一人でできることには限界があります。しかし、自分ができることを、他人ができることとかけ合わせることによって、無限に広がるのです。その意味では、友だちが多いほうが、いろいろなことを成しとげやすいというのは、まちがいないでしょう。 また、世界大学ランキングで1位になったこともあるイギリスの名門、オックスフォード大学の研究では、こんな面白いものがあります。 友人の数が多い人ほど、空気椅子(ひざを折ったスクワットのまま中腰ですわること)の苦痛にたえられると言うのです。 もちろん、友だちが多いことで苦労することもあります。それぞれの関係についやす時間やエネルギーがふえ、ストレスやプレッシャーを感じたり、絆を深めたりする余裕がへるということが考えられます。 逆に言えば、友だちの数をしぼることで、自分の時間を確保しやすくなるので、好きなことに没頭することができますし、人間関係のストレスにわずらわされたりするリスクがへるということです。数が少ないからこそ、その友だちのことを、より大切にできるというメリットもあるでしょう。