「100均」セリアは女性管理職が50%超 社長肝いりのデータ化がもたらした働きやすさとは? #令和に働く
100円ショップ大手の「セリア」は、競合他社が300円、500円と商品価格のラインアップを広げるなか、いまも全品100円を貫く。セリアという名称になって20年余り。直営店とFC店の合計が昨年2000店を突破し、業界では第2位の座にある。同社は女性管理職の比率が51.5%と高く、女性社員の登用も顕著だ。女性からの人気が高いといわれるセリアの経営戦略について、代表取締役社長の河合映治氏に尋ねた。(文・写真:ジャーナリスト・古川雅子/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
女性に人気 でも女性向け品ぞろえは「意識せず」
白基調の明るい店内には、文具やキッチン用品、収納用品、スマホ関連用品のほか、食器や女性向けメイク用品など多彩な商品が並ぶ。そのすべてが100円だ。売上高で業界2位のシェアをもつ100円ショップ「セリア」の特徴は、女性からの支持が高いことが挙げられる。昨年3月公表のLINEによる消費者調査では、30~50代女性の4割超が「一番好きな100円ショップ」はセリアだと回答している。河合社長は、岐阜県大垣市にある本社の一室で、自社のこうした強みについて端的かつ論理的に語った。
──セリアは女性からの人気が高いようです。業績好調の理由は女性向けの商品を増やしたことでしょうか。 特に女性向けの商品構成を意識しているわけではないんです。大事なのは需要があるかどうか。売れている商品を欠品しないように補充し、売れない商品はやめる。その需給バランスを最適化していったら、結果的に女性が買ってくれるようになり、女性向けの商品が増えた。それだけのことです。 ──商品の需給調整はどのように把握しているんですか。 自社で開発したシステム(※後述の「発注支援システム」)で、全国の各店舗においてどんな商品が何個買われたか、リアルタイムでデータを集計しています。商品は現在2万7000点ほど扱っていますが、商品の入れ替えを繰り返し、安定的に売れているものを残しています。売れる上昇カーブを描いている商品を見極め、輸送の状況を考慮しながら発注を増やせばいい。問題は売れていない2%の商品で、それをいち早く見極め、次は発注しないようにする。そうしたデータは毎日チェックしています。年間3割程度の商品を入れ替えていますね。