「100均」セリアは女性管理職が50%超 社長肝いりのデータ化がもたらした働きやすさとは? #令和に働く
──競合他社では300円、500円といった「高額路線」の商品もそろえていますが、セリアはいまなお「100円均一」を維持していますね。 均一価格は、お客さんに対してだけではなく、売る側の私たちにも有利なんです。お客さんは、店内でいちいち価格を見ずに買い物できる。当社にとっては、商品ごとの価格を周知するコストが低くて済む。いろんな価格帯の商品を置くということは、それに値札をつけたり、他企業との価格差などを考えたりしないといけないので、均一価格のほうがコストがかからない。また、商品の需給調整も、均一価格ならシンプルな計算式でできるメリットもあります。「100円」にはこだわります。物価高の時代ですが、コストを削るのではなく、在庫管理のシステム化で店頭に売れ筋商品を常にそろえる効率化の戦略と、原価率を下げてうっすらと粗利益を上げるような「アブノーマルな利益」を積み上げるという考え方と、合わせ技で利益を出しているのです。
女性社員や管理職の多さの背景に新システムの導入
河合氏は、叔父である創業者から引き継ぐ形で、2014年にセリアの代表取締役社長に就任した。地元岐阜県の大垣共立銀行を経て、2003年に転職。河合氏が入社した時期に屋号がセリアに変わり、出店数が増え、売上高も大幅に伸びた。直営店とFC店の合計は昨年2000店を突破、2023年度の売上高は2200億円を超えた。そんなセリアの特徴は、組織の在り方にもある。社員551人のうち、7割にあたる約400人が女性だ。セリアは女性管理職(課長職以上)の比率も51.5%と高い(2023年3月31日時点)。 ──全国の店舗で勤務する社員の約7割。パートタイマーの約9割が女性だそうですね。全国の店舗で勤務する店長や店員も女性が多いということですね。 そこについても、あえて女性の登用を意識してきたわけではないですね。2007年からパートタイマーを社員に登用する仕組みを導入した。そうしたら、結果的に女性の割合が増えてきたのです。人材登用する上で見るのは、仕事がきちんとできるかどうかだけ。性別も年齢も問わない。育児や介護が一段落した人が応募してくることも多いです。