【台風5号】12日(月)に東北直撃へ 動き遅く記録的大雨のおそれ 土砂災害など厳重警戒
台風5号は12日(月)に北日本にかなり接近し、東北に上陸するおそれがある。東北は太平洋側を中心に、台風がかなり接近する前の11日(日)午後から雨や風が強まり始め、総雨量が平年の8月1か月分の降水量を大きく上回る記録的な大雨となる可能性がある。台風が接近する前の早い段階で、ハザードマップや防災グッズの確認を行うなどの備えをしておきたい。
台風5号は東北上陸へ
10日(土)正午現在、台風5号は強風域を伴いながら日本の東海上を1時間に15キロメートルと自転車並みの速度で北へ進んでいる。 このあと台風5号は次第に暴風域を伴いながら進路を西寄りに変える見通し。その後も速度をほとんど上げずに12日(月)には北日本にかなり接近し、東北に上陸するおそれがある。13日(火)にかけて東北を横断したのち日本海へ抜けて、14日(水)には日本海で熱帯低気圧に変わる見込みだ。 なお、東北に台風が上陸すれば2021年に台風8号が宮城県に上陸して以来、3年ぶりのこととなる。
東北は太平洋側中心に記録的雨量か
北日本、特に東北は台風が上陸・直撃して大荒れの天気となるおそれがある。台風がかなり接近する前の11日(日)午後から、東北太平洋側を中心に雨や風が強まり始めそう。東北太平洋側で予想される24時間降水量は、多い所で12日(月)朝までに300ミリ、その後13日(火)朝までにさらに200ミリの見通しだ。台風5号は動きが遅いため、同じような所に雨雲がかかり続け、東北では総雨量が平年の8月1か月分の降水量を大きく上回る記録的な大雨となるおそれがある。土砂災害、川の増水や氾濫、低い土地の浸水などに厳重な警戒が必要。
また、予想される最大風速は11日(日)の東北で25メートル、北海道で15メートル、12日(月)には東北で30メートル、北海道で18メートルの見通し。特に東北では屋外での行動は極めて危険な、猛烈な風が吹き荒れるおそれがある。暴風にも厳重な警戒が必要。 波の高さは11日(日)・12日(月)ともにうねりを伴って東北で7メートル、北海道では5メートルの予想。大しけとなるため、高波にも警戒が必要だ。
早めに台風への備えを
北日本、特に東北太平洋側では11日(日)午後から13日(火)にかけて警報基準を大きく超えるような記録的な大雨となり、猛烈な風が吹いて大荒れの天気となるおそれがある。台風が接近する前の早い段階で、ハザードマップや防災グッズの確認を行い、風に飛ばされやすい物は家の中に片付けたり、しっかりと固定をしておくなどの備えをしておきたい。 また、3連休やお盆の期間と台風の接近が重なるため人の移動が多くなることが予想される。交通機関が大きく乱れるおそれがあるため、最新の交通情報にも注意し、予定の変更なども検討した方がいいかもしれない。 (気象予報士・鈴木悠)