監視海域は平常の状態 今後冬にかけてラニーニャ現象発生の可能性高い エルニーニョ監視速報
気象庁は9日(金)、エルニーニョ監視速報を発表した。エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない、平常の状態になっている。今後、冬にかけて平常の状態が続く可能性もあるが(40%)、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高い(60%)。
7月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は-0.1℃で、基準値に近い値だった。また、エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の5月の値は+0.3℃となり、2023年春から続いていたエルニーニョ現象は2024年春に終息したことが確定した。 太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高く、東部で平年より低かった。太平洋赤道域の海洋表層の水温は中部から東部で平年より低かった。 太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より活発で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年このようにラニーニャ現象時の特徴を示す指標が一部で見られるが、総合的にはエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態であると考える。 大気海洋結合モデルは、太平洋赤道域の西部から中部で貿易風が強まるとともに、中部から東部の冷水がさらに強まり、冬にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測している。以上から、今後、冬にかけて平常の状態が続く可能性もあるが(40%)、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高い(60%)。
◾️エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象のこと。逆に、同じ海域で海面水温が、平年より低い状態が続く現象はラニーニャ現象と呼ばれる。ひとたびエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生すると、日本を含め世界中で異常な天候が起こると考えられている。